3.2024年度の活動実績4.研究成果の還元80早稲田日本語教育実践研究 第13号/2025/79―80そこで,2023年度には,これまでに実施されたアドバイジング・セッションの内容を調査,整理するとともに,スタッフの協力のもと,来訪者の実例をもとにした事例を作成した。具体的な作業としては,次の3点が挙げられる。(1)2023年度に実施したアドバイジング・セッションの内容を調査・整理した。(2)(1)のうち,スタッフが特に重要性や必要性を感じている観点をヒアリングし整理した。(3)(2)に基づき,個人情報に十分配慮した上で事例を作成した。2024年度は,上記作業によって作成された事例について,まず,不足情報を特定し補った。次に,「わせだ日本語サポート」のガイダンスとスタッフ・ミーティングにおいて試用を行った。時間が限られていたため,試用は一部の事例に留まったが,作成した事例を用いてアドバイジングを行うことにより,課題が見出された。そこで,これらの課題を踏まえ,原案作成のためのヒアリングに関わったスタッフにディスカッションへの参加協力を依頼し,各事例において加筆修正が必要な点と効果的な運用方法について検討した。それらの検討により,既存事例の加筆修正点とともに不足している事例が明らかになったため,既存事例の加筆修正と新たな事例の作成を行った。わせだ日本語サポートは,CJLにおいて,日本語学習者の教室外の日本語学習を支援する重要施設である。また,日本語学習のみならず,生活やキャリアに関わる相談事項の一次窓口にもなっていることから,学内留学生の留学生活全般に役立っているとも言える。そのような役割を担う施設に寄せられる相談内容を整理し,事例集を作成することは,スタッフの日本語学習に関わる知識とアドバイジングの質の向上につながる。そして,それらのアドバイジングを通して,本学留学生の日本語能力の向上と,本学が目指す主体的・自律的学習者の育成に貢献しうると考える。(とらまる ますみ,早稲田大学日本語教育研究センター)(よしだ よしみ,早稲田大学日本語教育研究センター)(ぷーぷぃんぴゅ,早稲田大学日本語教育研究センター)
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