早稲田日本語教育実践研究 第13号
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早稲田日本語教育実践研究 第13号  本プロジェクトでは,「わせだ日本語サポート」における日本語自律学習支援のため,過去のアドバイジング・セッションの事例を収集・整理し,その事例集を作成する。本事例集をわせだ日本語サポートにおける研修や日々のセッションで活用することにより,アドバイジング・スタッフ(以下,「スタッフ」)の日本語学習に関わる知識とアドバイジングの質を向上させ,相談に訪れる日本語学習者(以下,「学習者」)に,より適切な支援を提供できるようにすることを目指す。そして,そのようなアドバイジングを通して,本学留学生の日本語能力の向上と主体性・自律性の育成に寄与したいと考える。本プロジェクトの目的は,日本語教育研究センター(Center for Japanese Language,以下,「CJL」)に設置された「わせだ日本語サポート」における日本語自律学習支援のため,過去のアドバイジング・セッションの事例を収集・整理し,その事例集を作成することである。本事例集を「わせだ日本語サポート」における研修や日々のセッションに活用することにより,スタッフの日本語学習に関わる知識とアドバイジングの質を向上させ,相談に訪れる日本語学習者に,より適切な支援を提供できるようにすることを目指している。本プロジェクトの成果を活かすことによって,「わせだ日本語サポート」における自律学習支援がより円滑に進み,学習者自身が主体的・自律的に日本語学習に取り組むことができるようになれば,学習者の日本語能力の向上に寄与するとともに,日本語教育の観点から,本学が目指す主体的・自律的学習者の育成に貢献しうると考える。わせだ日本語サポートは,CJL内に設置された日本語自律学習支援施設である。本施設では,毎週3日,それぞれ午後6時間にわたって,本学の研究科に所属している大学院生スタッフが来訪者の相談に応えるアドバイジング・セッションを実施している。2020年度からのCOVID-19の影響による日本語学習者数の減少により,一時来訪者は減少したが,2022年の対面授業の再開と学内での周知,日本語学習に関わるイベントの実施に伴い,来訪者数は戻りつつある。しかし,英語学位プログラムの新設による学生数の増加や,学生の国や地域の多様化により,来訪者の相談内容は多様化・複雑化しており,スタッフも対応に苦慮する場面が増えてきた。設置主旨1.プロジェクトの目的2.2023年度の活動実績研究プロジェクト報告79寅丸 真澄・吉田 好美・プープィンピュ「わせだ日本語サポート」における日本語自律学習アドバイジング事例集の作成

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