早稲田日本語教育実践研究 第13号
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3.2024年度の活動実績4.2025年度の計画77研究プロジェクト報告寅丸真澄・久保田美子・木下直子・井下田貴子・井上直美・大久保雅子・久保圭・小松浩子・鄭在喜・濱川祐紀代・三好裕子・吉田睦・吉田好美/CJL総合科目群オンライン化のための研究プロジェクト2024年度の主な活動は,アカデミック・ジャパニーズ(以下,「AJ」)動画教材の開発,「入門日本語」における文型学習用動画教材の開発,「総合日本語5・6」の文型学習用動画教材運用版の作成である。なお,これらの教材開発過程では,各開発担当者内での内容の検討や作業に加え,本プロジェクトメンバー全体での相互フィードバック等も行われた。2024年度は,CJLのAJ教育における学習項目の不足や教材の不統一,アーティキュレーションの不足等の課題を解決するため,AJ学習に特化したオンデマンド学習教材の開発に着手した。まず,「総合日本語3」から「総合日本語6」までのレポート作成や発表活動において必要とされる学習項目72項目を選定した。次に,そのうち45項目を学習するための動画スライドとスクリプトを作成し,音声を収録,動画教材を完成した。「入門日本語」では,学習項目の量と「総合日本語1」など隣接する初級科目とのアーティキュレーションに懸念が生じていたため,科目間のアーティキュレーションを高めるための見直しを行い,「総合日本語1」に繋がる47文型を抽出し,「総合日本語1□6」と同様の文型学習用動画教材を開発した。「入門日本語」のナレーションは「総合日本語1・2」に倣い英語で行われている。本教材の開発により,「入門日本語」から「総合1□6」にかけて一貫した文型学習が可能となった。また,文型学習用動画教材は全文型がMoodleに設置され,CJLの全履修者に提供されているため,授業のみならず,全学習者の自律学習に役立っていると言える。「総合日本語5・6」では,試用版で確定した内容でスライドの作成とナレーション音声の編集を行い,運用版を作成した。開発済の教材に関わる作業としては,「総合日本語1□4」において,文型学習用動画教材の誤表記等の修正を行った。また,「会話1・2」及び「漢字5」では完成教材を運用し,教材の調整と修正を行った。2025年度は,主に2024年度に着手した次の2つの教材に関わる作業を計画している。1)AJ学習のためのオンデマンド教材の開発 ① CJLのAJ関連科目におけるレポート作成や発表活動に必要なAJ学習項目の再確認 ②2025年度計画のAJ学習用動画教材の開発 ③2024年度に完成したAJ学習用動画教材の授業における試用と修正点の検討2)入門レベルの学習者のための初級文型学習用動画教材の開発 ①2024年度に開発した動画を実践で試用しつつ調整を行い,完成させる。これら一連の作業については,プロジェクトメンバーがレベル間のアーティキュレーションに留意しつつ基本計画を策定する。当該基本計画に基づき,必要に応じて関連教員,及び外部専門業者に作業を委託する作業体制で進めていく。

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