537422111212113コラム李思儀/わせだ日本語サポートイベント「日本語で話そう」報告5.今後に向けて73図5 所属別参加者数(単位:人)第2回から第5回の参加者数は合計46名である。第2回および第3回は参加者が多かったものの,第4回で急減し,その後第5回ではやや回復する傾向が見られた。これはテスト期間中に開催したことが原因と考えられる。そして,参加者の傾向を所属別および日本語レベル別に分析すると,以下の2点が明らかである。まず,日本語レベル別の傾向としては,参加者全体の中でN1レベルの参加者が最も多く,高い日本語能力を持つ学習者が中心となっている。次に,所属別の傾向について分析すると,参加者は多様な学部および研究科から参加しているが,特にCJLや「国際教養学部」所属者の割合が高い。「日本語で話そう」の運営には,いくつかの実践上の課題が存在する。以下に,特に重要な2つの課題と改善案を示す。まず1つ目の課題として,本イベントが予約不要で誰でも参加可能であるため,参加者数が予想を超える場合があるという,参加者数の管理の問題が挙げられる。このような状況では,現行のファシリテーター体制では十分に対応できない場合がある。本イベントでは,1グループあたり3〜4名の参加者が最適と考えられる。しかし,現行のファシリテーターは3名であるため,参加者が15名を超えた場合には1〜2グループが適切なファシリテーションを受けられない状況が生じることが分かった。実際に,ファシリテーションが不十分であったグループでは,活動が円滑に進行しない問題が確認されている。そのため,経験豊富なリピーター参加者が臨時のファシリテーターとして役割を担うことが期待される。リピーター参加者が新規参加者をサポートすることで,運営の負担を軽減し,円滑なコミュニケーションを促進するのではないだろうか。次に,今後,国際共修の取り組みの促進により,本イベントに日本語母語話者を参加させることになれば,イベント全体の進め方の再考が必要になると思われる。日本語母語話10
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