早稲田日本語教育実践研究 第13号 科目名:総合日本語4 レベル:初級1・2/中級3・4・5/上級6・7・8 履修者数:22名(定員)「総合日本語4」は,教科書を用いて,4技能を高めることを目的とした中級後半レベルのコースである。月曜日1コマ,水曜日2コマの対面授業,オンデマンド2コマ(オンデマンド1,2)の週5コマで構成されている。教科書は『まるごと中級2』を使用している。これらのコース全体の授業内容やスケジュールは,コーディネーターによって決められているが,具体的な実施方法については各授業担当者に任せられている。「総合日本語4」のオンデマンド1は,一人の教師がオンデマンド授業と対面授業を担当する。そしてオンデマンド授業として学生が実施しオンラインで提出した課題について対面授業でフィードバックを行うものである。オンデマンド授業の課題は,教科書に出てくる文型に関する動画視聴と,教科書の文法問題,学んだ文型を使った例文作りを含む課題シートの提出である。オンデマンド1の担当者は,この課題シートを添削・返却し,月曜日の対面授業でフィードバックを行う。本稿では,このオンデマンド1の課題の返却とフィードバックにおける工夫を述べる。まず,オンデマンドの課題返却においては,オンラインでの返却では,学生がフィードバックを読んでいるかどうか把握しにくいため,筆者らのクラスを含め,いくつかのクラスでは紙に印刷し教室で返却した。紙媒体による返却方法は,担当者が対面授業の中で直接学習者にフィードバックできるため,学習者から,担当者のコメントを確認しやすいという声があった。また,担当者からは学習者の理解度が確認でき,より適切なアドバイスに繋がったという意見があった。課題シートの添削としては,学習者の気づきが得られる―「総合日本語4」授業担当者の取り組み―1.コースの概要 2.「総合日本語」4のオンデマンド1の授業概要3.授業の工夫実践紹介53安藤 博子・加藤 真実子・鈴木 修子頓所 満枝・藤本 朋美・松元 敬子オンデマンドと対面のハイブリッド型授業における課題の返却・フィードバックの工夫
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