早稲田日本語教育実践研究 第13号
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早稲田日本語教育実践研究 第13号   科目名:くらしの中の日本語会話2  レベル:初級1・ 2 /中級3・4・5/上級6・7・8  履修者数:27名「くらしの中の日本語会話2」は早稲田大学日本語教育研究センターのテーマ科目である。授業では「簡単な会話はできるが,自然な表現を使ったりまとまった会話を続けたりする自信がない学生」のために,『改訂版 聞く・考える・話す 留学生のための初級にほんご会話』(以下,テキスト)の後半部分を用いて学習している。毎週取り上げるテーマはテキストに沿って機能別に定め,その中でさまざまな場面を提示することで表現や応答方法などを各自が考えられるように進めている。この科目は大きく二つの部分に分かれている。コース前半ではテーマに沿った場面の会話練習の中で,必要な表現・発音・イントネーションなどを確認し,ペアやグループで会話練習を行っている。授業では相手や場に対してどのような配慮が必要か,どのような気持ちを表現しているかを話し合い,あいづちや言いさし言葉,非言語行動も含めて意識しながら自然な会話ができるように練習をしている。その後,場面を提示して短いオリジナル会話を作ることを宿題にし,次週にこの会話を使って会話練習を行い,発表や意見交換をしている。コース後半は前半での練習の定着を兼ね,グループでのドラマ作りと発表の活動を行っているが,これには発表を含めて5週を費やしている。以下,このドラマの活動実践について報告したい。2-1.活動の目的ドラマの活動は通常4〜5人のグループで行っている。その目的は学習した表現を場面の中で実際に使ってみること以上に,次のような点が非常に大きいと考えている。になる。②「相手にどう伝えるか」という方法をグループメンバーと話し合い,共有できる。③自分の発話や非言語行動が相手にどう受け取られるかをモニターすることができる。を体験しながら楽しく学ぶことができる。―人間関係や気持ち,非言語行動を意識して―1.授業概要2.ドラマの活動① 学生たちの自由な発想により設定された場面で,「自分が言いたいこと」が言えるよう④ ほかの学生の発話を聞きそれに反応することで,実際の場面に近いコミュニケーション実践紹介41宇都宮 陽子自然な表現と話し方でドラマを作る

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