② “A Frequency Dictionary of Japanese”Routledge ③ 『研究社日本語コロケーション辞④ 「複合動詞レキシコン」国立国語⑤ 『明鏡国語辞典』(第二版,第三21ショート・ノート小宮千鶴子/連語への気づきを促す指導の試み引く抱える奪う飛び込む引っ張るまとめる勧める支える飛び出す表1 指導対象の多義動詞の例逃げる付き合う守る流れる広がる狙うこえる離れる加える組むつながる落ち着く失うさわるふれる済む図1 多義動詞の用法指導の教材例①「2級語彙表」『日本語能力試験出題基準』凡人社典』研究社研究所 (https://vvlexicon.ninjal.ac.jp/)版)大修館書店 指導対象の多義動詞は年度ごとに見直し,最後の2023年度は50語だった。それらは11回に分けて指導した。表1は5回目から9回目までの指導対象の多義動詞である。3-2.連語による多義動詞の用法提示まず「文法的な関係にある,2つか3つの単語」という連語の定義を示し,単語や複合語との違いや慣用句が特別な連語であることを説明した後,連語学習の長所(1つ覚えればいろいろな文で使える,多義語や類義語・助詞の学習に役立つ,自然な日本語が学べる,流暢に話せる)などを紹介した。多義動詞の用法は,基本義と派生義2つを指導した。各用法はまず3つの連語で示し,共通する意味を尋ねてから説明して,図1の用法①なら「液体が場所を流れる」のようにまとめた4)。次に,提示した連語の例文について説明した。提示する多義動詞の用法と連語の主な選定資料は,前述の⑤のほか次のとおりである。⑥『日本語多義動詞学習辞典動詞編』アルク ⑦「基本動詞ハンドブック」国立国語研究所(https://verbhandbook.ninjal.ac.jp/)⑧「筑波ウェブコーパス」筑波大学(https://tsukubawebcorpus.jp/)多義動詞と共起する語はN2に相当する旧2級語彙とした。基本義の連語は,動詞のイメージの理解に重要なので,使用頻度にかかわらず採用した。一方,派生義の連語は,使用頻度をもとに学習者の使用場面を考慮して選んだ。例文には旧2級語彙と文型を用い,
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