早稲田日本語教育実践研究 第12号
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設置主旨1.プロジェクトの目的2.2022 年度までの活動実績63早稲田日本語教育実践研究 第 12 号  本プロジェクトでは,「わせだ日本語サポート」における日本語自律学習支援のため,過去のアドバイジング・セッションの事例を収集・整理し,その事例集を作成する。本事例集を「わせだ日本語サポート」における研修や日々のセッションで活用することにより,アドバイジング・スタッフ(以下,「スタッフ」)の日本語学習に関わる知識とアドバイジングの質を向上させ,相談に訪れる日本語学習者(以下,「学習者」)に,より適切な支援を提供できるようにすることを目指す。そして,そのようなアドバイジングを通して,本学留学生の日本語能力の向上と主体性・自律性の育成に寄与したいと考える。本プロジェクトの目的は,日本語教育研究センター(Center for Japanese Language,以下,「CJL」)に設置された「わせだ日本語サポート」における日本語自律学習支援のため,過去のアドバイジング・セッションの事例を収集・整理し,その事例集を作成することである。本事例集を「わせだ日本語サポート」における研修や日々のセッションに活用することにより,スタッフの日本語学習に関わる知識とアドバイジングの質を向上させ,相談に訪れる日本語学習者に,より適切な支援を提供できるようにすることを目指している。本プロジェクトの成果を活かすことによって,「わせだ日本語サポート」における自律学習支援がより円滑に進み,学習者自身が主体的・自律的に日本語学習に取り組むことができるようになれば,学習者の日本語能力の向上に寄与するとともに,日本語教育の観点から,本学が目指す主体的・自律的学習者の育成に貢献しうると考える。「わせだ日本語サポート」は,CJL 内に設置された日本語自律学習支援施設である。本施設では,毎週 3 日,午後 6 時間にわたって,本学の研究科に所属している大学院生スタッフが来訪者の相談に応えるアドバイジング・セッションを実施している。2020 年度からの COVID-19 の影響による日本語学習者数の減少により,一時来訪者は減少したが,2022 年の対面授業の再開,および学内での周知や日本語学習に関わるイベントの実施により,現在,来訪者は増加傾向にある。日に 12,3 名の来訪者を迎えることもある。日々のセッションにおける相談事項とその対応内容は,閉室後に作成・提出される振り返りシートに記録され,毎週 1 回行われるスタッフ・ミーティングにおいて報告されている。報告の場では,対応の妥当性がスタッフ全員によって検討され,そこで見出された問研究プロジェクト報告寅丸 真澄・吉田 好美・佐々木 さくら「わせだ日本語サポート」における日本語自律学習アドバイジング事例集の作成

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