実践紹介―ネットショッピングの疑似体験と発表をとおして―1.授業概要化 初級 2A2 かつどう』(以下,教科書)に沿って語彙や文型の練習と定着のための活動を2.活動の内容43早稲田日本語教育実践研究 第 12 号 科目名:総合日本語 2 レベル:初級 1・ 2 /中級 3・4・5 /上級 6・7・8 履修者数:16 名総合日本語 2 は初級後半の学習者を対象とし,日本語の基本的な言葉と文法を学習してコミュニケーションできるようになることを目標に掲げている。授業は週 5 コマ(対面3 コマ・オンデマンド 2 コマ:1 コマ 100 分)を 14 週かけて 2 〜 3 名の教師が担当する。まず,オンデマンド 2 コマで『まるごと 日本のことばと文化 初級 2A2 りかい』に沿って当該課の語彙や文型を学び,語彙クイズや課題を提出する。その後,対面 3 コマでクイズや課題のフィードバック(以下,FB)を実施したうえで『まるごと 日本のことばと文実施する。コースの指導内容やスケジュールはコーディネーターによって決められており,各担当者はクラスの状況に合わせて FB の方法や進度について適宜,調整することができる。本稿では,早稲田大学日本語教育研究センターで 2023 年度春学期に筆者が実施した対面授業での活動について紹介する。教科書トピック 6「ネットショッピング」(L11・L12)の最後に,学習した文型の練習と定着を図ることをねらいとして,日本語版のショッピングサイトで買い物の疑似体験をし,その過程と結果を当該課の文型を使用して説明・発表させる活動をおこなった。所要時間は 25 分程度となるよう進めた。当該クラスでの工夫は,1)疑似体験のために海外の衣料品・日用雑貨品メーカーの日本語版ショッピングサイトを使用したこと 1),2)学生が日本語版申込用紙の仕様を知り,記入の体験ができるよう,用紙のコピーを配布したこと 2)である。活動の手順は,1)ペアでサイトを検索し,買う商品を決める,2)申込用紙に記入する,3)発表内容を決める,4)教室のスクリーンに商品のページを投影して発表する,とした。発表内容は,①何を買うか,②どうして買うか,③その商品についてどう思うか,④ 2 つの商品を比べてどう思うか(教科書 p11「もくひょう Can-do」L11・L12 を援用)という質問①〜④の中から 2 〜 4 つを選び,課の文型をできるだけ使用して商品を説明すること,とした。活動の手順と発表内容は板書して明示し,教師がまず一通り試行して見萩原 喜美子文型の練習と定着のための活動
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