1.実践の概要41図 1 1 学期のスケジュール早稲田日本語教育実践研究 第 12 号 科目名:「わたしのにほんご」プロジェクト 1-2 レベル:初級 1・2 /中級 3・4・5 /上級 6・7・8 履修者数:40 名(2023 年度春学期)この授業の概要は,次の通りである(2023 年度シラバスより)。「教科書の日本語は,みんなが使っている日本語とちがう」「教科書には,私が使いたい場面がない」と思ったことはありませんか。「「わたしのにほんご」プロジェクト」は,「日本語で話したいこと/書きたいこと」を持ち寄り,「わたしのにほんご(文法と語彙)」をたくさん増やしていく授業です。1 学期(14 回)は次のようなスケジュールで進む。大きく分けて,学期の前半は「話す」,後半は「打つ」に取り組む。授業デザインの背景にあるのは,これまでの日本語教育は「言語から出発するアプローチ」が主流であったが,これからは「状況から出発するアプローチ」をとるべきであるという言語観,言語教育観(小林 2017)と「教室活動としてのロールプレイは,自分らしいコミュニケーションを作るための練習ではなく,想像力,演技力のトレーニングになっている可能性がある」(小林 2009, p. 102)という,日本語教師としての著者自身の反省である。実践紹介小林 ミナ学習者が創り出す「文法」
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