38習うことが多い。筆者の教育経験から述べると,日本語の⓪調(平板型)が中国語の一声と同じ,日本語の①調(頭高型)が中国語の四声と同じだと誤解している学習者がいる。 5)本稿では視覚的なわかりやすさを考慮し,↓で下がる箇所を示し,↑で上がる箇所を示す。 6)この方法の考案においては,戸田(2004:100-101)を参考にした。 7)https://www.gavo.t.u-tokyo.ac.jp/ojad/phrasing参考文献戸田貴子(2004)『コミュニケーションのための日本語発音レッスン』スリーエーネットワーク劉羅麟(2022a)「日本語の音声の授業における学習者の母語の活用―学習者が得た知識面・認識面・運用面の学び―」『日本語/日本語教育研究』13,169-184.劉羅麟(2022b)「日本語教材におけるナ行音・ラ行音の記述に関する一考察―学習者用教科書と教師用参考書の調査と分析を通して―」『中国語話者のための日本語教育研究』13,78-93.劉羅麟(2023a)『日本語の音声の習得と教育における母語の役割―学習者の母語と母方言を活用した音声教育を目指して―』早稲田大学大学院日本語教育研究科博士論文劉羅麟(2023b)「同期型オンラインで行われた学習者の母語を活用した日本語発音授業に関する実践報告」『CASTEL/J-2023 予稿集』,169-173.劉羅麟(2023c)「日本語の清音と濁音の指導における中国語方言の活用―受講者の捉え方から見る効果と課題―」『中国語話者のための日本語教育研究』14,49-65.Antón, M. & DiCamilla, F. J. (1998) Socio-Cognitive Functions of L1 Collaborative Interaction in the L2 Classroom. The Canadian Modern Language Review, 54(3), 314-342.Auerbach, E. R. (1993) Reexamining English Only in the ESL Classroom. TESOL Quarterly, 27(1),9-32.Makulloluwa, E. (2016) Benefits of Mother Tongue in the Adult ESL Classroom. Literacy Information and Computer Education Journal, 7(3), 2392-2397.Bruen, J. & Kelly, N. (2017) Using a Shared L1 to Reduce Cognitive Overload and Anxiety Levels in the L2 Classroom. The Language Learning Journal, 45(3), 368-381.Cook, V. (2001) Using the First Language in the Classroom. The Canadian Modern Language Review, 57(3), 402-423.(りゅう ろうりん,東京大学大学院工学系研究科)早稲田日本語教育実践研究 第12号/2024/31―38
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