注寄稿論文秋葉丈志/早稲田大学ICC(異文化交流センター)の取り組み29「東西古今の文化のうしほ…」「集り散じて 人は変れど 仰ぐは同じき 理想の光」ICC でも ICC ラウンジや大隈小講堂などに多くの人を集めてのイベントがまたできるよICC がこうした交流の場を提供していく価値が再認識されたと思う。 いまあらためて人と対面で交流することでこそ得られるものの価値が見直されている。うになった。また,創設期以来続いてきた「ノーボーダー」と呼ばれる「垣根を取っ払っての合宿を通じた交流」も再開へ向けて検討が進んでいる。 楽しいだけでなく,時には違和感やすれ違い,対立も乗り越えてこそ人と人,文化と文化の対話と理解は生まれるのではないか。そのためには,対面で一緒に時間を過ごし,かつ活動をすることで得られる全人的な理解も大事であろう。コロナを経験したからこそ,5-2.キャンパスを横断した取り組みの浸透 今後とも早稲田大学は多くの留学生,また国内からも多様なバックグラウンドの学生を受け入れていくことが見込まれる。その際,たとえば留学生であれば,留学センター,日本語教育研究センター,各学部や大学院,学生寮や学生サークルとこれらを所管する学生部など,学内の様々な箇所が受け入れに関わってくる。本稿では日本語教育研究センターとの連携の可能性について記したが,ICC でも,様々な箇所と連携して,早稲田がすべての学生にとって居心地がよく,かつそのことでお互いから学ぶ機会が最大化できるような環境づくりに貢献していきたい。 早稲田に集う人々が歌い継いできた校歌の一節が心に浮かぶ:謝辞 本稿執筆にあたり,特に ICC 職員の南部昌司さん,アダムス・マーシャルさんに多くのご協力をいただいた。また,ICC のフルタイムスタッフ,SSL(学生スタッフ)にはアンケートやイベントの写真提供等のご協力をいただいた。心より感謝したい。 なお本稿は ICC スタッフの協力のもとに執筆したが,見解に渡る部分は執筆者のものであり,必ずしも組織としての統一的な見解ではないことを付記したい。 1)和文では「異文化交流センター」と称してきた。 2)「早稲田大学国際コミュニティセンター(ICC)7 年の歩み」(2013 年,22 頁)。 3)同上 25 頁,49 頁。 4) 関連して,早稲田大学は 2017 年 7 月 1 日に「ダイバーシティ推進宣言」を公表し,「性別,障がい,性的指向・性自認,国籍,エスニシティ,信条,年齢などにかかわらず,本学の構成員の誰もが,尊厳と多様な価値観や生き方を尊重され,各自の個性と能力を十分に発揮できる環境」が大学の使命にとって重要である旨,強調している。早稲田大学ダイバーシティ推進宣言<https://www.waseda.jp/inst/diversity/about/mission/diversity_declaration/>(2023 年 9 月 25 日閲覧)。 5) Waseda Vision 150:早稲田の核心戦略<https://www.waseda.jp/inst/vision150/core/strategy08>(2023 年 9 月 25 日閲覧)。
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