早稲田日本語教育実践研究 第12号
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4.CJL(日本語教育研究センター)への助言・提言26早稲田日本語教育実践研究 第12号/2024/19―30 ・日本語を話す機会が少なそうに見えた。 ・日本人学生と実際に関わる機会が少ない。 ・ 留学生は自分と似た立場にいる他の留学生とは知り合うことができるが早稲田の日本の学生と知り合う機会が少ないということをイベントに来てくださった留学生と話していてよく聞く。 ・日本の文化をもっと知りたがっている方が多い気がする。 ・ 日本人学生と交流したい留学生の数に対して,留学生と交流したい日本人学生の数が少ない。 ・ 同じ国からの留学生とばかり話してしまう人が多い。コミュニティが広がらない。 また,「留学生にまず英語で話しかけるというのが,人によっては不快に感じることもある(日本語がしゃべれるのに,英語で話しかけないでといった感じで)。確かにその通りだし,良かれと思ってやっている行為に対してもよく考える必要があると感じた」との指摘もあった。ICC に限ったことではないが,日本国内出身の学生は日本語以外の言語,特に英語を使いたくて留学生にアプローチすることも多い一方,逆に留学生は日本語を使いたくて,日本語ネイティブの学生にアプローチしたい場合もあり,双方の意図にズレが生じることもある。留学生=英語(外国語)を使う相手,国内出身学生=日本語を使う相手という先入観のないようコミュニケーションを図っていくことが大事であろう。 なお今回のアンケートでも「ご参加いただいている留学生の多くはイベントテーマに対して関心があり,ディスカッションなどの活動に積極的に参加している印象がある。日本語の習熟度にかかわらず多様な国籍の参加者とコミュニケーションをとっていて,学生スタッフ(SSL)の補助なしでも盛り上がっている」との声があり,あらためて,たくさんの意欲的な留学生の存在が ICC の活動を支えていることを感じさせられた。 以下は,フルタイムスタッフ,学生スタッフを通じて出された CJL への助言・提言を紹介したい。なお個々のスタッフは必ずしも CJL の事情に通じていないため,これまでに試みたことや CJL の実情等に沿わない感想もあるかもしれないが,なるべくそのままの形で紹介したい。 まず,CJL と ICC で連携して,留学生を交えた交流の場を作っていきたいとの声が多く聞かれた。 ・ 日本語を学びたい ! という強い気持ちのある海外からの留学生に,講義から少し派生した+α の機会を通し,例えば日本語ネイティブの早大生とペアになり会話の練習ができる場を CJL 発で設定する。 ・ わせだ日本語サポートとして実施しているイベントなら ICC とコラボできる気がする。 ・ にほんごペラペラクラブ等のイベントは行う意義が強いが,実施回数を増やす場合は

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