22早稲田日本語教育実践研究 第12号/2024/19―30期待できる。在学生と校友双方にとって,あらたな出会いと発見が生み出されていくような協働機会の提供を目指している。 ◦学生と地域の交流 大学町早稲田の地域コミュニティとの交流にも大きな可能性がある。学生のために地域ができること,地域のために学生ができること,双方をマッチングさせることで新しい風を起こすことを目指している。2-2.学生の異文化理解促進の手助けとなる生きた情報の提供 異文化に対する相互理解を促進することを目指し,世界各国や日本各地の生きた情報をコミュニティの構成員自身の手で相互に発信するためのハード・ソフト両面のしかけを行っている。 ◦インフォメーション・コーナー 早稲田キャンパス 3 号館 1 階にある ICC ラウンジでは,イベントで協力いただいた団体からご提供いただいた各種資料(国・文化紹介,観光案内など)が閲覧可能である。ガイドブック「地球の歩き方」も揃っており,それらの情報を参考に旅行のプランを練る,あるいは留学先を考えるなど,利用者のニーズに応じて自由に活用可能である。また「ICC ライブラリー」には,各国の小説や写真集,コミックなども配架している。 ◦インフォメーション・ボード ICC ラウンジ入り口にあり,ICC 主催のイベント情報のみならず,学内外で開催される異文化交流・理解に関連する各種イベントやプログラムの情報が豊富に掲載されている。 ◦ ICC ラウンジ 気軽に立ち寄ることができる ICC ラウンジそのものが,情報発信 & 収集のベースとなる仕掛けとなっている。掲示板で情報を提供したり,新しい交流イベント企画の相談に乗ったり,積極的に在学生のニーズに対応している。 またイベントとして,多種多様な企画を実施しており,毎学期実施している「定番企画」と毎学期学生スタッフが新規に提案する「新企画」の 2 つに大きく分けられる。企画の種類(区分)としては,主に各国の文化紹介にスポットをあてた「カントリー・フェスタ」,世界的に活躍する著名人や世界展開する企業関係者などを招いての「トーク・セッション」,特定のテーマに基づいて交流する「テーマ・カフェ」,日本文化紹介「ジャパニーズ・カルチャー・イベント」,言語や文化を学びたい学生を結びつける「ランゲージ & カルチャー・エクスチェンジ」,学生が学校に出向いて異文化理解の出前授業を行う「アウトリーチプログラム」,特定の期間に同じメンバーで特定の言語でお話しする「ランゲージ・チャットクラブ」,お昼の時間に各種言語(日本語含む)で交流する「ランチ・イベント」,「フィールド・トリップ」,「スポーツイベント」等があり,年間約 200 のイベントを学生スタッフが中心になり企画・運営している。 このイベントの数と内容の多様性が異文化への理解を深めながら,新たな価値観や文化
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