6.総合日本語 412早稲田日本語教育実践研究 第12号/2024/3―17ングの利点を活かし,対面授業の教員がオンデマンド授業(2)を担当している教員のサポートを行うこととした。現在,対面授業の教員とオンライン授業(2)を担当する教員が WM の掲示板でメッセージのやり取りを行い,対面授業の教員が自分の授業でオンデマンド授業の課題を学習者に説明したり,課題未提出者に提出を促したりすることで,オンデマンド授業(2)の教員のサポートを行っている。さらに,コマごとに異なる活動を行うのではなく,コマの枠を超えた活動を取り入れることで教員間の連携を図っている。この活動は,学習者がアカデミック・ジャパニーズとしての最終プレゼンテーションおよび最終レポートを作成するための活動で,科目を通して対面授業を担当する教員とオンデマンド授業(2)を担当する教員が一緒に準備を行っていくものである。教員が連携を図り,最終活動に向けて,協働して仕上げていく。最後に,学習者の承諾が得られた場合,学習者の顔がわかるよう対面授業の教員が「クラス写真を撮って WM にアップする」,オンデマンド授業(2)の教員からの希望があった場合は,「教員の自己紹介動画を WM にアップする」,「対面授業内でオンデマンド授業(2)の教員を Zoom で繋ぐ」,「オンデマンド授業(2)の教員が対面授業に一部参加する」等の様々な方法によってオンデマンド授業(2)を担当する教員と学習者との関係づくりを行っている。これらの方法は教員の声を反映させたものであるが,これらを実現させるためには,対面授業の教員のサポートが欠かせない。教員間の連携が円滑な授業の一助となっている。5-3.まとめと展望 本科目は現在も各学期でスケジュールを見直し,ハイブリッドの利点を最大限発揮すべく,調整・工夫を行っている。学習者が主体性・自律性を育みながら学習を進められるよう指導するには,科目を担当する全ての教員が CJL の理念を理解し,「Waseda CJL 日本語教育スタンダーズ」の考え方に基づき,授業を行う必要がある。現在,科目を担当する教員から気づいた点や意見がもらえるよう Google シートを設置し,いつでも書き込めるようにしているが,今後,教員間で意見交換ができる場を増やしていくことにより,教員の多くの声を拾い,科目の改善を行っていく予定である。 また,現在,CJL に入学して間もない学習者がオンデマンド授業に適応できないというケースもみられているため,学習者がオンデマンド授業の利点を活かしながら学習を進められるように指導することが重要である。今後,本科目の学習方法に関する説明動画を作成する等の方法により,学習者のサポートを行っていく予定である。 さらに,「総合日本語 2」と「総合日本語 4」とのアーティキュレーションに配慮し,指導内容の調整を行っていくことで,学習者のレベルに合った科目を提供することが重要である。今後も調整・工夫を絶えず加えていくことで,本科目が学習者の多くの学びを促進させるものとなることを目指す。6-1.学習の目標と内容 「総合日本語 4」は CJL スタンダーズの中級後半のレベルで,中級レベルの日本語力を
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