早稲田日本語教育実践研究 第11号
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3-1.科目選択・科目内容に関する相談春学期は,来訪者からは主に次の 3 つの相談が寄せられた。①レベルチェックテストの結果を元にした科目選択,② 1 次登録後の初回の授業に参加した後の科目選択,③日本語力がゼロの来訪者の科目選択である。①については,「レベルチェックの結果,5 レベルと判定が出たが,6 レベルの授業を受けても大丈夫か。」,「レベルチェックテストを受験したところ,2 レベルの判定が出たが,このレベルで大丈夫か。自国で 3 ヶ月間集中の日本語を受けたことがある。」といったものである。②については,「テキストの内容は問題ないが,周りの学生の日本語が自分より上手だった。レベルを下げた方がいいか。課題のプレゼンができるか心配だ。」,「実際に授業に参加してみると,先生の話す内容が難しいと感じた。どうしたらいいか。」といったものである。③については,「ひらがな・カタカナができない。履修できる科目はどれでいくつあるか。」といったものである。また,所属学部において日本語科目が必修となっている学生からは,「日本語学習をしたことがないため,ひらがな・カタカナすらできない。しかし,日本語科目の単位が必要である。履修できる科目があるか。」,「絶対に単位が必要なので,3 次登録期間でも定員に余裕がある科目を知りたい。」といった必要単位数を満たすための相談である。秋学期も来訪者から次の 3 つの相談が寄せられた。春学期と同様の①レベルチェックテストの結果を元にした科目選択,春学期とは異なる傾向である②おすすめの授業についてと③総合日本語の授業についてである。①について,「教科書はついていけそうだが,グループでの会話についていけなかった。成績が悪くならないか不安だ。」や「レベル 3­4 の授業をとっていたが,難しすぎた。どうすればいいか。」といった相談が寄せられた。次に②については,「将来日本で働きたい。話すことと,聞くことが大切だと思うが,どの授業を履修したらいいか。」や「JLPT の N1 を受験したところ,語彙の点数が低かった。語彙レベルを上げたいので,おすすめの授業はないか。」などのように,具体的な日本語学習の目的を持った上で,どの授業を履修すればよいか相談する来訪者もいたが,「1 レベルのおすすめの授業を教えてほしい。」といった,特に目的を示さない来訪者もいた。最後に③は,「総合日本語 3 と 4 とどちらを履修するか悩んでいる。3 のテキストを見たところ,半分くらいわかる。」「総合日本語 2 と総合日本語 3 を同時に取れるか。」といった相談があった。総合日本語は,日本語の 4 技能をバランスよく身につけることができ,コマ数も多いため,この授業に関する相談が多くなった。3-2.科目登録手続きに関する相談春学期は,学部所属の来訪者からの相談として,「履修登録を取り消したい日本語科目があるが,登録外面上,取り消すことができない。」,「登録画面上に『非算入』と表示されているがどうしたらいいか。」などといった,各学部独自の科目登録設定に関するものが多かった。秋学期は,「入国が遅れて 1 次登録に間に合わず今から登録することは可能か。」といった相談が寄せられた。母国では,履修の登録がうまくできず,入国後履修登録を行う人が数名見られた。その他には,「履修登録をしていないクラスを第 1 週目に見たいが,どうしたらいいか。」という相談も多かった。秋学期の第 1 週目は,コロナ感染の拡大を受けて,全授業がオンラインに変更された。そのため Zoom の URL は,履修登95コラム小畑美奈恵・芹川佳子・佐々木さくら/2022年度日本語科目登録相談室 報告

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