早稲田日本語教育実践研究 第11号
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音文早稲田日本語教育実践研究 第11号/2023/85―86 学習事項(しおざき のりこ,早稲田大学日本語教育研究センター)授業活動やタスク,クイズ内容理解質問穴埋めクイズ形式のディクテーション語彙リスト映像を見ないでの Q&A映像を見ながら確認り返る作業をしている。「声に出して」の学習を促して,そのためのシャドーイングのやり方を教え,つっかえずに音読できたら学習がうまくできている証であるとゴールを伝えて,授業中,および自宅学習におけるシャドーイングに積極的に取り組ませている。2-2.ドラマ学習話し言葉の音の形をまとめたレジュメを用意して,3 時間ほどかけて縮音などの形を総覧的に学習した後,実際に使われている形をドラマで確認するという手順で進めている。表 2 ドラマ学習の学習事項と授業活動やタスク・クイズ聴解の鍵文法・語彙 日常会話によく使われる文型と表現感情や評価を含む語彙言いさし声 話し言葉の音の形:縮音,省略,特殊拍等 話し言葉の音の形をまとめたレジュメ聴解練習,会話練習,シャドーイングクイズ脈 場面における台詞の意味すること誰が誰に対して何を言っているのか発話の受け手はだれかワークシートはドラマを適当な長さで分けて,1.内容理解質問,2.穴埋めクイズ形式のディクテーション,3.語彙リストという構成にして,1.と 2.で聴解の弱点探しができるようにしている。期末レポートとしてニュースとドラマの両テキストから覚えておきたい語彙や文法を選んで単語帳としてまとめることを課題としているが,それを見るとどちらのテキストもレベル相応の学習になっているように思われる。また,話し言葉の音の形を学んで日常会話が理解できるようになったという感想は毎学期聞かれ,中級前期段階のどこかで必須学習にしてもいいのではないかと感じている。学生の期待に応えられるよう,今後も工夫していきたく思っている。3.学生の取り組み方と今後の課題86

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