早稲田日本語教育実践研究 第11号
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CJL レベルチェックテスト(聴解・読解)容を理解することができるかSystem で,事前に設定された ID とパスワードを取得することで,インターネットを通じ4-2.テストの設計本テストで使用するテストシステムは,学内で管理するテストシステムである Etesting て学内・学外を問わず受験できる。受験者自身が受験直後に得点を確認できるため,学内の各学部での認定作業にあたって,事務的,時間的なロスがなく使用できる。システムの仕様上,読解は,本文および設問,選択肢が同時に表示される。聴解は,画面内のボタンを押すと音声が再生される仕様となっている。回答方式は,テストシステムの仕様による制約と採点の信頼性を考慮し,4 つの解答選択肢に「わからない」を加えた 5 肢選択式で,「わからない」の回答は,誤答扱いとした。上記のテストシステムの仕様を考慮し,テスト形式を設定した。読解は,長文,中文,短文の 3 種の文章を作成し,その内容理解を問う項目を出題した。各文章につき,1 〜 4項目が作成された。聴解は,課題理解,ポイント理解,概要理解の 3 種を出題した。聴解は,課題理解,ポイント理解,概要理解の 3 種を出題した。テストシステムの制約上,出題できない読解の統合理解,情報検索,および聴解の即時応答,統合理解は作成しなかった。テストの細目を表 2 に示す。表 2 CJL レベルチェックテスト(読解・聴解)の細目表名称テスト種 集団規準準拠テスト目  的 日本語レベルが一定水準以上であるかどうかを判定する対  象 学内の学部に所属する学習者受験時期 各学期の開講時期 ※原則,各学期 1 人 1 回のみ受験可測定内容 原則,JLPT の N1 に準拠する読解: 幅広い話題に関する,論理的にやや複雑な文章や抽象度の高い文章を読んで内聴解: 幅広い場面において自然なスピードの,まとまりのある会話やニュース,講義などを聞いて,話の流れや内容,登場人物の関係や内容の論理構成などを詳細に理解したり,要旨を把握したりすることができるか※ JLPT 認定の目安を参考(https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html(2020/12 閲覧))出題内容 読解:短文(約 200 字),中文(約 500 字),長文(約 1000 字)の内容理解聴解:課題理解,ポイント理解,概要理解※ 選択肢は,原則,文字提示で,概要理解のみ 1 〜 5 の音声提示で選択肢は番号のみが表示される回答は,5 肢選択式(「わからない」を含む)採点方法 テストシステムによる自動採点で 1 問 1 点4-3.出題基準および項目の作成項目作成に先立ち,出題基準を作成した。押尾他(2008)によると,JLPT の出題基準は,旧試験の出題基準表に加え,様々な語彙データベース(以下,DB)の内容を検証し,18000 語を目安とした語彙の選別を行っている。これを参考に,本テストのための出題基準として,22002 語を収録した「waseda_cjl_standard_vocabulary_table_Ver1.0」を作成した。作成作業は,まず,日本語教育向けに公開された「日本語教育語彙表 Ver1.0」(日本語74早稲田日本語教育実践研究 第11号/2023/71―78

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