計早稲田日本語教育実践研究 第11号/2023/39―54高校用語の割合中心語数(中学 + 高校)26.3%( 25)85.8%(193)89.5%(119)91.0%(394)11.1%( 58)74.3%( 933)79.9%(1722)81.5%( 543)している。中心語数は,最少の経済と最多の化学との間に約 4.6 倍の開きが見られた。ただし,各分野の中心語候補である専門語数に対する中心語数の割合は,経済が 226 語中95 語で約 42%,物理が 433 語中 225 語で約 52%,化学が 740 語中 433 語で約 59%,数学が 173 語中 133 語で約 77% と増え,最低が経済で最高が数学だった。4-2.中心語の段階表 2 は,4 分野の専門連語の中心語を「中学用語」と「高校用語」に分け,それぞれの割合を示したもので,( )内は用語数である。分 野経 済物 理数 学化 学経済では中学用語の割合が約 74% を占めたのに対し,他の 3 分野では高校用語の割合のほうが高く,物理では約 86%,数学では約 90%,化学では 91% に達しており,対照的だった。物理・数学・化学の専門連語は,高校教科書からの連語だが,その中には中学用語を中心語とする連語が含まれていることが表 2 からわかる。それに対し,経済の専門連語は,中学教科書からの連語と高校教科書からの連語とを合わせたもので,そのまま他の 3 分野とは比較できないので,中学教科書からの専門連語を除いて高校教科書からの専門連語に限って 4)再集計すると,中心語数(異なり)は 93 語に減り,内訳は中学用語 68語(73.1%)と高校用語 25 語(26.9%)となって,内訳の割合は表 2 とほぼ同じだった。表 3 は,中心語の段階別に専門連語数の割合を示したもので,( )内は用語数である。経済は全体の 89% が中学用語を中心語とする専門連語なのに対し,他の 3 分野は高校用語を中心語とする専門連語のほうが多く,物理は約 74%,化学は約 80%,数学は約 82%が高校用語を中心語とする専門連語だった。経済は他の 3 分野とは異なり中学教科書からの専門連語を含むが,高校教科書に限って再集計しても,中学用語を中心語とする専門連語の割合は 88.5% で,表 3 とほぼ同じ結果だった。分 野経 済物 理化 学数 学95225133433100%( 527)100%(1256)100%(2156)100%( 666)44表 2 専門連語の中心語の段階中学用語の割合73.7%(70)14.2%(32)10.5%(14)9.0%(39)表 3 中心語の段階別にみた専門連語の割合中学用語の専門連語数 高校用語の専門連語数89.0%(469)25.7%(323)20.1%(434)18.5%(123)
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