早稲田日本語教育実践研究 第11号
33/126

テストフォームの構成初級〜上級用(総合日本語 1 〜 6 +入門)147 項目各項目レベル 23 〜 26 項目(文法:10 〜 15 項目・語彙:11 〜 14 項目)初級用(総合日本語 1 〜総合日本語 2 +集中):60 項目中級用(総合日本語 3 〜 6):90 項目各項目レベル 15 項目(文法 8 項目・語彙 7 項目)初級(総合日本語 1 〜総合日本語 2 +集中):45 項目中級(総合日本語 3 〜 6):90 項目各項目レベル 15 項目(文法・語彙各 6 〜 8 項目)初級〜上級用(総合日本語 2 〜総合日本語 6):90 項目各項目レベル 15 項目(文法・語彙各 6 〜 8 項目)初級〜上級用(総合日本語 2 〜総合日本語 6):84 項目各項目レベル 12 〜 15 項目(文法・語彙各 6 〜 8 項目)を得た上で行った。調査協力者は全 98 名で,各レベル 7 〜 20 名の回答を得た。テストは,当時学内者用の LMS であった CourseN@vi を通じて行われた。テストは,全 147 項目で,全ての調査協力者が同一のテストフォームを受験した。各項目 30 秒以内の回答時間が設定され,想定した受験時間は約 60 分であった。試行調査は,受験場所は原則,各教室または学内 PC ルームで,一部の学習者は自宅で受験した。調査対象となったクラスは,各学期約 70 クラスであった。調査に使用したテストシステムは,19 年度春学期のみ CourseN@vi で,Etesting System は試用として一部の受験者にのみ使用された。19 年度秋学期以降は,Etesting System のみが使用された。試行調査によって得られた回答データは,テスト開発のためのデータの使用に同意した受験者の回答のみ選別し,分析を行った。表 4 には,各調査における調査対象,テストフォームの構成および有効回答数を示した。テストフォームの数は年度によって異なる。19 年度は,受験者の負担を考慮し,受験者のレベル別に 2 フォームで実施したが,20 年度は等化分析を見据え,全レベル共通の 1 フォームとし,各学期毎回出題される共通項目 60 項目と学期別に出題される約 30 項目を組み合わせた共通項目デザインで実施した。表 4 予備調査・試行調査におけるテストフォームの構成実施時期18 年度秋学期19 年度春学期19 年度秋学期20 年度春学期20 年度秋学期5-2.予備調査および試行調査の分析結果1)項目情報の収集を目的として,各学期の調査終了後,古典的テスト理論に基づく項目分析を行った。分析に先立ち,調査協力者のレベル別に正答率の分布を確認し,レベル別に極端に正答率が高い,または低い調査協力者の回答は分析対象外とした 5)。予備調査の分析においては,まず事前に想定した項目レベルが想定した難易度か否かを確認するため,項目レベルと正答率の関連性を検証した。項目レベル別の正答率を見ると,項目レベルが上がるほど正答率が低下しており,項目レベルに関する一定の妥当性が示された。ただし,個別の項目では,項目レベルが同一の項目と比べ,極端に正答率が高い,または低いなど想定と異なる項目も見られた。試行調査の分析においても,項目レベル別の平均正答率,および各項目の正答率分布を29論文岩下智彦・寅丸真澄・伊藤奈津美・沖本与子・井下田貴子・三谷彩華/CJLで学ぶ日本語学習者を対象としたComputer Based Test開発有効回答数(名)89初級:276中級:608初級:296中級:607327265

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る