目対的論文岩下智彦・寅丸真澄・伊藤奈津美・沖本与子・井下田貴子・三谷彩華/CJLで学ぶ日本語学習者を対象としたComputer Based Test開発試行調査用 CJL レベルチェックテスト(文法・語彙)学習目標レベル他者の力を借りながら,中上級の語彙や表現を学び,新聞記事や新書レベルの文を読むことができる。そして,社会的なテーマについて意見交換できるようになる。教科書:『生きた素材で学ぶ新・中級から上級への日本語』(The Japan Times)総合日本語 5上級前半の語彙や表現を自ら学び,新聞記事や新書レベルの文を読むことができる。そして,幅広い社会問題について意見交換できるようになる。教科書:『留学生のための時代を読み解く上級日本語第 3 版』(スリーエーネットワーク)総合日本語 64-2.問題項目の作成項目作成は,1)総合日本語各レベルの使用教材から主要な学習項目を選定し,2)選定された語彙,文法の理解を問う空所補充問題を作成するという手順で行った。出題内容は,ターゲットとなる語彙,文法が適切に理解できているかを 5 肢選択式で問うものとした。上述の項目作成手順は,プレースメントテスト開発において,本稿同様,到達度テストとしての側面に留意して項目作成を行った小森他(2017)の手順とほぼ共通する。小森らの開発したテストも到達度テストの観点に留意したテストであることから,構成概念がシラバスに基づいており,開発手順として妥当なものと考える。ただし,本テスト項目には,独自の項目レベルが付与されている。これは,ある項目が総合日本語 1 〜 6 のいずれのレベルに相当するかを表す情報で,項目作成時においては,項目レベルと同じかそれよりも低いレベル相当と考えられる語彙,文法のみが使用された。例えば,項目レベル 2 の項目は,総合日本語 2 を修了した学習者が正答できることが想定されており,その問題文および選択肢は,総合 1 または 2 相当と考えられる語彙や文法で作成されている。回答方式は,後述のテストシステムの仕様による制約および,採点の信頼性を考慮し,4 つの解答選択肢に,「わからない」を加えた 5 肢選択式とした。「わからない」の回答は,テストシステム上では誤答扱いとし,全問自動採点による 1 問 1 点の配点で運用した。項目作成は,開発期間を通して行われ,延べ 164 項目が作成された。テストの細目は,以下の表 3 のとおりである。表 3 CJL レベルチェックテスト(文法・語彙)の細目表名称テスト種(試行調査時)目標規準準拠テスト/(本運用時)集団基準準拠テスト・目標規準準拠テスト受講希望者が科目登録をする際の指標として,CJL における日本語レベル(7 区分)を判定する象 新入生・在学生受験時期 各学期の開講時期 ※原則,各学期 1 人 1 回のみ受験可測定内容 日本語の言語知識(文法・語彙)出題内容 5 肢選択式(「わからない」を含む)の空欄補充 本運用時は各レベル 15 問採点方法 テストシステムによる自動採点で 1 問 1 点0 〜 13 点(総合 1 相当),14 〜 27 点(総合 2 相当),28 〜 43 点(総合 3 相当),44 〜57 点(総合 4 相当),58 〜 71 点(総合 5 相当),72 〜 85 点(総合 6 相当),86 〜 90点(7 〜)得点区分27
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