寅丸 真澄・吉田 好美1.2022 年度 総括105早稲田日本語教育実践研究 第 11 号 「わせだ日本語サポート」の学習アドバイジング・セッションは,2021 年度に続き,2022 年度春学期もオンライン(Zoom)で行うこととなった。一方,秋学期は,留学生も少しずつ入国し,対面授業も行われるようになったため,オンライン・セッションを残しつつ,2 年半ぶりに対面セッションを再開した。来訪者数は,2022 年度計 336 名となり,2021 年度(286 名)比で 117% となった。春学期の来訪者数は 118 名,秋学期の来訪者数は 218 名であった。秋学期の対面セッションの再開に伴い,来訪者が増加していることがわかる。オンライン・セッションも,対面セッションと同様予約を取らずに受け入れたが,対面での利用者が多く,秋学期のオンライン・セッションの来訪者数(40 名)は,対面来訪者数(178 名)の 22.5% に留まった。対面かオンラインかという形態別の来訪者の傾向を見てみると,CJL 内で日本語科目を履修している学習者は対面セッションを利用する傾向にあった。一方,遠隔地にいる学生や,対面セッションでの緊張感を回避したい学生は,オンライン・セッションを利用していた。遠隔地にいる学生とは,他キャンパスで学習する学生の他,本学に所属しながら他国に留学している学生等である。オンライン授業によりオンライン環境に慣れてきたものの,学生の学習環境や適性により利用するセッションの形態が異なるようになってきたと考えられる。2023 年度も,学生のニーズに合わせて 2 種の形態で実施する予定である。但し,セッションの形態の選択範囲が拡大し,学生にとって利用しやすくなる半面,学習アドバイジングを行うスタッフは,2 種の形態に対応する必要が生じるため,負担が重くなったと言える。特に秋学期は,対面セッションを経験したスタッフがいなかったため,対面になったことにより上限時間を守らない学生や,スタッフに対してやや威圧的な態度をとる学生に対する対応方法等がスタッフ・ミーティングの検討課題となった。また,オンラインから対面セッションへの移行に伴い,オンライン・イベントの参加者の減少が予測されたため,オンライン・イベントの開催を控えた。春学期は,2021 年度同様,JLPT セミナーや専門講師による講演,スタッフによるランチタイム・イベントを実施したが,秋学期は,専門講師による講演とランチタイム・イベントを休止し,JLPTセミナー,スタッフ主催の会話セッションや学習方法を振り返るためのワークショップ,キャリアセンターとの共催であるキャリア・セミナーを対面で開催した。セッションの形態も含め,今後どのようなイベントを企画するか,学生のニーズとスタッフの負担を考慮しつつ引き続き検討したい。年度報告「わせだ日本語サポート」活動報告
元のページ ../index.html#109