早稲田日本語教育実践研究 第11号
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ごとに担当コーディネーターの配置とスケジュールの策定,教科書の選定を行った。それらと並行して,授業の質の向上とオンライン化を推進する大学総合研究センターの教員を講師としたワークショップを開き,具体的な内容について検討を重ねた。そして,オンライン化対象科目のうち,「漢字 1・2」を先行させて教材作成に着手した。2021 年度には,「総合日本語 1□5」,「入門日本語」の教科書が選定され,出版社との著作権交渉を完了させた。「総合日本語 6」と「会話 1・2」,「漢字 1□5」はオリジナル教材を使用することに決定した。また,「総合日本語 1□4」においては,総合科目の授業内容のうち,文型学習をオンデマンド化することを決定し,文型学習用動画教材(「総合日本語 1・2」は英語,「総合日本語 3・4」は日本語で作成)の作成を開始した。文型学習用動画教材とは,これまで教員によって行われていた文型の導入と説明を動画化した教材である。学習者は本動画を視聴し,Moodle に設置されたワークシートやクイズ類をこなすことによって文型理解を深め,動画で学習した文型の運用練習と各種活動を行う。本年度は文型学習用動画教材のうちスライドの作成を行った。「総合日本語 5・6」は,教科書学習とレポート作成に区分されるが,レポート作成に関する内容をオンデマンド授業にし,その教材作成を 2022 年度から開始することとした。「入門日本語」は,週当たり時限数や教材の選定も含め,具体的なコース内容の検討を開始した。「会話 1・2」は,2021 年度までにオリジナル教材を作成しており,その教材の修正を行った。2020 年度より徐々にオンライン化を進めていた「漢字」は,「漢字 1□2」に続き,2021 年度に「漢字 3」の教材を完成させた。2022 年度より本センターの研究プロジェクトとして正式に承認され,文型学習用動画教材および授業教材(ワークシート,課題,クイズ類)の作成を引き続き進めた。「総合日本語 1□4」の文型学習用動画教材については,2021 年度に作成した文型スライドの修正作業と,説明用音声のスクリプト(「総合日本語 1・2」は日本語から英語への翻訳作業あり)の作成,音声収録,動画編集とその修正を行い,2022 年度末に完成予定である。完成後は,それらの動画教材および授業教材を本学 LMS の Moodle に設置する。「総合日本語 5・6」では,2022 年度にレポート作成のための説明用動画の試用版を作成・試用して内容を調整し,2023 年度に運用版を作成する計画である。なお,「総合日本語 6」では,オリジナル教材から市販教科書を使用することに決定し,使用教材に即した教材とテスト類を完成させる予定である。「入門日本語」では,コース内容に即した教材作成,英語によるオリエンテーション動画,仮名の説明用動画を完成させた。「会話 1・2」は,2023 年度の音声収録のための準備を行った。「漢字」は「漢字 1□3」に続き,「漢字 4」の授業教材が完成予定である。2023 年度は,全科目において,オンライン授業に必要な動画教材,授業教材を設置し,3.2022 年度の活動実績4.2023 年度の計画98早稲田日本語教育実践研究 第11号/2023/97―99

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