早稲田日本語教育実践研究 第10号
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―就職活動は団体戦―1.はじめに2.授業について実践紹介津花 知子早稲田日本語教育実践研究 第 10 号   科目名:就職を考える:調査編 7-8  レベル:初級 1・2 /中級 3・4・5 /上級 6・ 7・8  履修者数:約 10 ~ 30 名 日本における就職活動は,諸外国と異なる部分が多く,自力で就職活動を行うのは難しいと感じている留学生も少なくない。2010 年に開講された本科目は,日本での就職を希望する学生を対象に,学生自身が調べたり,発表したり,学生同士で学び合うことを通じ,就職活動で必要な力を養い,将来のキャリアプランを設計することを目指している。2-1.授業の概要 授業の主な内容は,日本の就活・自己分析・面接・志望動機についての講義,自己分析についてのグループ活動,グループディスカッションの練習,自己 PR・業界研究・企業研究の発表(順不同),そして,最後に「わたしのキャリアプラン」と称し,「〇年後の自分」「理想のキャリアプランを実現するために重視するポイント」「目標達成のために今すること」をシートにまとめた上で発表し,授業のまとめとしている。 これ以外に,以前は,キャリアセンター訪問,内定を獲得した学生へのインタビュー,現役のビジネスパーソンを招いた模擬面接など行っていたが,現在は行っていない。2-2.主な活動 上記の中で,特に力を入れているのが,自己 PR,業界研究,企業研究で,それぞれ 3,4 回かけて行っている。 自己 PR は事前に自己分析の仕方を事例と共に学んだあと,実際に一人ずつ 2 分程度の自己 PR を行う。その後,グループで互いに質問やアドバイスを行い,改善したものを書いて提出する。ここでは,まだ分析が不十分なものも少なくないが,まずは,自分のこれまでの人生を振り返り,自分の強みと強みを裏付けるエピソードを言語化することを重視している。 業界研究と企業研究は自分が関心のある業界,企業について各自で調べ,PPT で発表する。企業研究については,調査項目が多いため,発表するのは調べたことの一部とし,全体はレポートにまとめ,提出する。ここで調べたことが,実際に採用試験を受けた際,非59就活のネットワーク構築を目指して

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