早稲田日本語教育実践研究 第10号
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932111ABCDEFG3211111早稲田日本語教育実践研究 第10号/2022/45―52具体的な内容相談内容 2人数人数 割合52.9%17.6%11.8%5.9%5.9%5.9%割合30.0%20.0%10.0%10.0%10.0%10.0%10.0%く。継続来訪者は,日本語学習における自分の弱点や問題点を認識しており,来訪目的が明確であったと考えられる。相談内容(1) 授業(2) JLPT(3) 大学院進学 ・研究計画書,志望理由書の添削(4) 会話練習(5) 書く(6) 聞く次に,相談内容件数が 2 件だった継続来訪者 10 名(28.6%)の相談内容のパターンについて述べる(表 7)。パターンは 7 種が観察された。パターン A からパターン E までは,授業に関する質問を主軸に,「JLPT」「会話練習」「大学院進学」「聞く」「学習計画」といった相談をする利用方法で,10 名中 8 名(80%)を占めていた。例えばパターン A は,授業に関する質問に来訪していたが,JLPT が近づくと JLPT 関連の質問をする,あるいは,主に JLPT 関連の質問で来訪していたが,時々授業関連の質問をするといった利用方法であった。またパターン E では,もともと授業に関する質問で来ていたが,学期末が近づくと,帰国後の日本語学習方法や JLPT に向けての勉強法についての相談に変化した。興味深いのはパターン G の継続来訪者である。「発音」「スタッフとの意見交換」は相談内容件数 1 件の継続来訪者には出現していない相談内容であった。また,パターン G の継続来訪者は発音の相談で来訪していたが,自国で日本語教師の経験があったため,通ううちに,教育という観点から自分が考えた日本語文法の説明方法や教授方法をスタッフに伝え,意見交換をするようになった。スタッフとディスカッションをすることで自らの教授法を再考するという独自の施設利用法を見出していたと言える。表 7 相談内容件数 2 件の場合の相談パターン(全 10 名)パターン50表 6 相談内容件数 1 件の場合の相談内容(全 17 名)・授業で学習した文法や語彙についての質問・レポートやスピーチ原稿のチェック・授業内容の復習・文法,語彙,表現に関する質問・日本人の友人との会話を円滑にするのが目的。友人との会話で分からないところの質問・研究関連のメールや文書,書類についての質問・趣味で聞いているラジオ番組で分からなかった日本語について質問相談内容 1授業JLPT授業会話練習授業大学院進学授業聞く授業学習計画会話練習JLPT発音スタッフとの意見交換

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