2.調査方法3.継続来訪者の来訪状況早稲田日本語教育実践研究 第10号/2022/45―52 2018 年度秋学期2019 年度 春学期102 / 213(47.9%)184 / 340(54.1%)9 / 89(10.1%)16 / 114(14.0%)11.3 回11.5 回2019 年度秋学期135 / 274(49.3%)10 / 101(9.9%)13.5 回用目的や頻度,相談内容等,利用実態は来訪者によって様々である。しかし,そのように多岐にわたる継続来訪者の利用実態を把握できれば,継続来訪者に対するよりきめ細やかな支援が可能になり,来訪者に寄り添うべきスタッフの養成にも役立つと考えられる。そこで,本稿では,来訪者に対する支援の充実とスタッフの養成に役立てることを目的として,継続来訪者の利用実態を調査し報告する。本稿では,対面での開室をしていた 2018 年秋学期,2019 年春学期,2019 年秋学期の3 期にわたる総来訪者のうち,「継続来訪者」を調査対象とする。「継続来訪者」とは,1学期間に 5 回以上来訪した学生と定義する。なお,総来訪者は,2018 年秋学期が 213 名,2019 年度春学期が 340 名,2019 年度秋学期が 274 名であった。調査資料には「振り返りシート」を使用する。「振り返りシート」はスタッフが担当日のセッションの詳細について記載するもので,勤務報告も兼ねている。記載する内容は,①来訪者の背景・来訪目的,②相談内容とその対応,③補足事項(学習者の振り返り,次の対応者に向けての引き継ぎ)である。本調査では①と②の相談内容の記載を分析対象とする。表 1 は,(1)継続来訪者の利用割合,(2)総来訪者数に対する継続来訪者数の割合,(3)継続来訪者一人当たり利用回数を表している。3 期とも,継続来訪者の利用割合が 5割を超えていること,また,来訪者数の 1 割前後が継続来訪者になっていること,さらに,継続来訪者の一人当たり利用回数も 11.3 回から 13.5 回と近似していることがわかる。これらのことから,学期に関わらず,一定割合の来訪者が継続来訪者となり,一定頻度で利用していることが推測できる。本稿では,これら 3 期の継続来訪者,計 35 名を対象に調査報告を行う。(1)継続来訪者の利用割合継続来訪者利用回数/総来訪者利用回数(2)総来訪者数に対する継続来訪者数の割合継続来訪者実数/総来訪者実数(3)継続来訪者一人当たり利用回数継続来訪者利用回数/継続訪者実数46表 1 継続来訪者数の割合
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