早稲田日本語教育実践研究 第10号
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3.活動の実践例作成を課した。そして,次の回の授業冒頭にフィードバック(以下,FB)を行い,「レポート評価基準表」に自己評価を記入してもらった。レポートの FB やテキストの課題を行う際は,学生が自ら発言をするように工夫をした。レポートの課題名を表 2 に示す。第 1 回 「新聞や雑誌は必要かどうか」に関する意見を 500 字程度書く第 2 回 「日本らしいと感じるものとその理由」をテーマに 800 字程度書く第 3 回 「テクノロジーをめぐる問題」をテーマに 800 字程度書く第 4 回 「教育をめぐる問題」をテーマに 800 字程度書く第 6 回 「興味のあるニュースについて紹介し,自分の意見を書く」をテーマに 800 字程度書く第 7 回 第 6 回課題「興味のあるニュースについて紹介し,自分の意見を書く」を修正第 8 回 〃第 9 回 完成レポートレポートは授業担当者が表 3 の「レポート評価基準表」に照らし合わせ,添削して返却した。なお,評価項目は,テキストのルーブリック表(pp. 162-165)に基づいている。第3 週は,第 1 週,第 2 週で学んだ内容をもとにレポート作成を行い,講座最終日(3 月 26日)に,講座内容に関するアンケートを実施した。【内容構成】【テーマと主張】テーマと主張がはっきりしていてわかりやすい【根拠】理由がはっきり説明されている【論理構成】序論,本論,結論のバランスがいい【言語表現】【正確さ】日本語表現(文法,文型,語彙,表記)にまちがいがない【適切さ】 アカデミック・ライティングに適切な表現(普通体,かたい表現)が使【形  式】【書式】フォーマット,分量,参考文献リストなどの指定が守られている本章では,第 1 週から第 3 週までの授業実践を述べる。なお,学生が作成したレポート等の成果物及びアンケートの使用に関しては,授業後に学生にメールにて個別に連絡を取り,3 名中 2 名から使用の許可を得た。次項以降の実践例及び講座後アンケート調査に記載したのは,許可を得たユンさん(仮名),リさん(仮名)のものである。3-1.アカデミック・ライティングの基本本節では,第 1 週に行った,オリエンテーションと AW の基本(主に文末・文中のスタイル,指示表現・接続表現・副詞表現)の確認について述べる。第 1 回目の授業では,まず授業の到達目標,授業概要,授業スケジュール,使用教材を一緒に確認した。そして,アイスブレイクとして,自己紹介(名前(漢字,意味),出身,39ショート・ノート小畑美奈恵・三谷彩華・陳曦/大学入学前教育としてのレポート作成授業の可能性表 2 課題一覧表 3 レポート評価基準表われている

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