協議した結果,決定した実施概要を表 1 に示す。日 時 2021 年 3 月 8 日〜 26 日 原則月水金 10:40□12:10 計 9 回場 所 オンライン(Web 会議システム Zoom)対象学生 文化構想学部,政治経済学部に進学予定の指定校(韓国)出身の留学生 3 名担当講師 CJL 助手・助教(1 〜 3 回:陳,4 〜 6 回:三谷,7 〜 9 回:小畑)到達目標 1:レポートの書き方の基本を学び,読む人にわかりやすい文章を書けるようになる。2:学術的な漢字語彙を拡充し運用能力を高める。2-2.授業概要本講座では,学部の授業に耐えうる日本語力,すなわちアカデミック・ジャパニーズ(以下,AJ)の能力を向上させることを目的とした。AJ にも様々な学習があるが,その中でも,学生からの要望があったレポート・論文作成の力を身につけるため,『日本語を学ぶ人のためのアカデミック・ライティング講座』(以下,テキスト)を用いてアカデミック・ライティング(以下,AW)スキルを身につける授業を行うことにした。選定理由は,日本の大学で必要とされる AW について,日本語のスタイル,適切な言語表現,説得力のある内容・構成で書くことについて徐々に段階を踏みながら学ぶことができるようになっているためである。本講座では,テキストをもとに計画を立て,実施を試みた(図 1)。テキストは,主な特徴として,①「『アカデミック・スタイル』『言語表現』『内容・構成』の 3 つの観点から学ぶ」,②「実例から考え,その改善例から学ぶことで推敲力を鍛える」,③「幅広いテーマとトピックで知識を深め,論理を組み立てる力をつける」を挙げている。②と③の活動は,AJ において求められる問題発見解決のための「日本語による『スタディ・スキル』」(堀井 2006:69)の育成にもつながる。テキストでは 1 学期間から 3 学期間で学ぶことが想定されているが,本講座では学生の母国での日本語学習期間が長期であった(表 4 参照)ことから,全 9 回という短期間でも対応できると考えた。第 1 週,第 2 週は,日本語の文章作成で必須の内容構成・形式・表現を中心に学び,1,2,3,4,6 回の授業の最後に,宿題として担当者が指定するテーマについてのレポート38早稲田日本語教育実践研究 第10号/2022/37―44表 1 日本語集中講座実施概要図 1 授業計画
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