早稲田日本語教育実践研究 第9号
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75研究報告吉田 好美寅丸 真澄早稲田日本語教育実践研究 第 9 号  本プロジェクトの目的は,日本語教育研究センターに設置された自律学習支援機関「わせだ日本語サポート」の利用状況を調査・分析し,その成果を機関の運営とスタッフの養成に活かすことである。具体的には,来訪者の背景,来訪目的,相談内容,機関に対する意見・要望等を調査・分析することにより,日本語教育研究センターの日本語科目履修者に必要とされている自律学習支援機関の在り方を明らかにする。さらに,得られた知見を「わせだ日本語サポート」の運営とスタッフの養成に活かす。「わせだ日本語サポート」(以下,「機関」)では,開室以来,日本語教育研究センター行ってきた。支援内容は日本語や学習計画に関するサポート,学習リソースや支援施設の紹介であり,JLPT 受験支援セミナーや留学生の就職を支援するキャリアセミナー等のイベント,タンデム学習の機会等を提供している。8 名のスタッフが支援に従事しているが,来訪者は 2018 年度から増加傾向にあり,2019 年度には 614 名へと倍増した。このことから,機関は運営を「定着」させるという局面から,さらに「発展」させるためにはどのようにすべきかということを考える局面に入ったと言える。機関の運営が軌道に乗る一方で,これまでも,来訪者数と相談内容については把握してきたが,来訪者の詳細や需要については調査・分析がされてこなかった。より有効な機関運営やスタッフの養成には,来訪者の背景や来訪目的,相談内容,意見・要望等の実態を知ることが重要かつ喫緊の課題であると考え,その調査分析を計画した。本プロジェクトは,以下 3 段階の調査手順により実施する。①来訪者ニーズの実態調査2018 年度,2019 年度の来訪者の背景,来訪目的,相談内容について量的・質的分析を行う。設置主旨1.プロジェクトの背景(Center for Japanese Language,以下,「CJL」)の施設内で日本語学習者の自律学習支援を2.活動計画「わせだ日本語サポート」の利用実態と需要に関する調査研究

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