71研究報告尹 智鉉寅丸 真澄早稲田日本語教育実践研究 第 9 号 本プロジェクトでは,留学生のためのキャリア支援を目的として,テーマ科目の整理・整備と,それを踏まえた「アカデミック・キャリア」「ビジネス・キャリア」の新たなコース開発を目指し,以下の 3 点に関する基礎調査と分析を実施した。 【課題 1】日本のアカデミック・キャリア,ビジネス・キャリアに求められるスキルおよびリテラシーに関する概念の精緻化・明確化 【課題 2】日本の高等教育機関またはその他教育機関において実施されている既存のキャリア支援のための科目・コースの現状分析 【課題 3】コース設計のための枠組みと方法論に関する理論的検討本プロジェクトの申請者 2 名はこれまで日本語教育研究センター(CJL)のテーマ科目ワーキンググループ(WG)として,テーマ科目群における 9 つのカテゴリー導入を含む,科目の整理・整備と教員配置を担当してきた。具体的には,テーマ科目群のカテゴリー別/レベル別科目分布や履修倍率などの調査結果から学習者のニーズや科目履修動向を分析し,適正な科目提供や教員配置を行ってきた。そのなかで,学内外の諸状況から,留学生のキャリア支援のための科目を設置した新たなコース開発へのニーズが高まっていることを改めて強く認識するようになった。また,これまでは新規科目・コース開発のために,主にセンター内のデータ分析を中心に進めてきたが,特にキャリア支援のためのコース開発のためにはセンター外の現状分析および社会のニーズ分析が不可欠であると考え,本プロジェクトを申請するに至った。2020 年度における本プロジェクトの活動実績の概要を時期別にまとめると下記の通りである。2-1.2020 年 4 月〜 2020 年 5 月課程の大学院生 4 名に作業補助を依頼した。具体的には,研究代表者と研究メンバーで,①依頼内容の具体化・資料作成を行い,②その内容に基づいて作業補助者を募集・決定し設置主旨1.プロジェクトの目的と経緯2.2020 年度の活動実績Web データを活用した基礎調査を実施した。実施にあたって,日本語教育研究科修士留学生のアカデミック・キャリアおよびビジネス・キャリア支援のためのコース開発
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