早稲田日本語教育実践研究 第9号
68/100

64早稲田日本語教育実践研究 第9号/2021/63―66図 1 Web 教材「つたえるはつおん」のコンテンツ動画コンテンツには,主に発音学習の方法を紹介するもの,発音のルールを紹介するものがある。いずれも発音指導の経験が豊富な講師による講義,学生相互の学び合いの様子から自律的な発音学習を促す 32 の動画が公開されている。動画は 8 つのカテゴリーに分けられる。そのカテゴリーとトピックには,リズム,アクセント(複合名詞・動詞など),イントネーション(そうですか・いいですよ・きれいじゃないなど),子音(「つ」の発音,「ざ・ず・ぜ・ぞ」の発音,「な」「ら」の発音,「か・が」「た・だ」の発音,母音の無声化),気持ち(強調のしかた,丁寧な言い方,あいづち,感動詞,キャラ)方言(大阪方言,広島方言,宮崎方言)などがある。学習者の視聴完了率が,動画が長くなるにつれて低くなること,教師が授業中に簡単に導入に使えることを考慮し,動画の長さを 5 分程度におさえたものになっている。動画の詳細は,木下・中川(2019)を参照されたい。されてきたが,発音クラス以外のテーマ科目群,総合科目群においても使用され,複数の担当教員より初学者を想定した多言語対応が求められた。学内の外国人留学生の出身国・地域別トップ 20 のうち,上位 5 位は,順に中国,韓国,台湾,アメリカ,インドネシアである(早稲田大学留学センター HP 2020)。また,国内の在留外国人の中にはベトナムが上位を占めることから,英語,中国語,韓国語,インドネシア語,ベトナム語の 5 か国語の対応を進め,実装デザインについて検討する計画を立てた。このほか,母音の無声化の動画,単音「ひゃ・ひゅ・ひょ」や方言のシナリオなど,新たに学生から要望の多かった動画を制作することにしていた。3.2020 年度の活動計画Web 教材「つたえるはつおん」は,これまでテーマ科目群の発音クラスを中心に使用

元のページ  ../index.html#68

このブックを見る