55杉山 ますよ早稲田日本語教育実践研究 第 9 号 科目名:人に分かる話し方,書き方を学ぶ レベル:初級 1・2 /中級 3・ 4・5 /上級 6・7・8 履修者数:30 〜 35 名 当該科目の目的は 3 つある。一つ目は様々な事柄,状況などを書いて説明し,さらに話し言葉で伝えること。二つ目は書き言葉と話し言葉が使い分けられるようになること。三つ目は初級文法の復習である。中級の学習者が書いたものをチェックすると書き言葉と話し言葉が混在していることが多々ある。そのため様々な事柄について書き言葉で説明文を書き,その後クラスメイトに話し言葉で伝えるように授業をデザインした。また説明文をチェックすると基本的な初級文法の誤りが多々見受けられるので,学生の気づきを促すための活動を取り入れた。2-1.授業の内容 授業は反転授業の形式をとる。事前に活動に必要な語彙や表現を学び,課題を提出する。教室ではそれを確認してから,そのテーマの活動を行う。時に発展課題を提示することもある。学生は提出したものを授業で発表する。発表はほぼ毎回行う。これは学生が発表に慣れるためと書き言葉と話し言葉の相違を意識化するためである。また学生が他の学生の発表を見たり,教師のフィードバックを繰り返し受けることにより,学べる点も多々ある。授業ではペアワーク,グループワークを取り入れており,さらにゲーム的要素も取り入れ,学生に発言する機会を与えるようにしている。一方で聞くことも重要であるので,コメントシートを書かせている。 毎回一つのテーマを取り上げ,完結するようにデザインしている。2-2.活動のテーマ 本科目で取り上げているテーマは 8 〜 10 程度である。表 1 はテーマと主な活動である。学期によってテーマは入れかえる時もある。 表 1 で取り上げた活動以外は初級文法の復習で学生がよくする間違いを取り上げて気づきを促す活動をしている。実践紹介1.はじめに2.授業の概要わかりやすく伝える(書く・話す)活動の実践
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