早稲田日本語教育実践研究 第9号
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図 1 Waseda Moodle52早稲田日本語教育実践研究 第9号/2021/51―52  オンライン化においては,表 1 の計画にそって Waseda Moodle の非同期型の授業としてデザインした。各講義は図 1 のように構成した。オンライン化において特に意識したこと・工夫したこととして,以下の 6 つが挙げられる。1. 講義のはじめにガイドコンテンツをおいて,何をするのかを明確に示す。2. 大単位の「講義」小単位の「STEP」ですべての講義を構造化する。3. 基本となる流れは変えず,部分的に新規コンテンツを入れる。4. 講義動画は 2 〜 4 分程度の長さで作成する。5. フィードバックはこまめかつ直後に行う。6. オンデマンドの授業ではあるが,直接質問できる環境を必ず作っておく。まず,1 として講義の最初は「講義の進め方」というページコンテンツをアップし,各るわけではないので,講義の進め方について明確に説明しておくことが重要であると考えたため,このような対応をとった。次に,2 として大単位の「講義」に対して,スモールステップとなる「STEP」という単位ですべての講義を構成した。1 つの STEP は,5 〜 10分で可能な活動にして,合計として 90 分を超えないように配慮した。次に,3 として基本的な流れである「音読のアップロード→動画資料の閲覧→課題の提出→受講生同士の相互討論→作文の提出」はすべての講義で盛り込みつつも,部分的に新しい方法を入れた。それは,学習が単調になることを防ぐためである。具体的にはコンテンツのパターンをかえたり,相互討論の方法をかえたりした。次に,4 として講義動画はできる限り,シンプルなものにすることを心がけた。動画の長さに関しては 4 分を超えないようにした。そして,動画の形式もパワーポイントに音声を吹き込み,MP4 で出力するだけのシンプルなものにした。次に,5 として音読や課題に関してはすべてフィードバッグを行った。それは,オンライン授業とはいえ,できるだけ孤独感なく,学習できるようにしたい,と考えたからである。最後に,6 として質問はライブセッションで行えるようにし,Waseda 参考文献李在鎬(2020)「ICT を利用した読解授業について」『日本語教育連絡会議論文集』32,15-22.(http://renrakukaigi.kenkenpa.net/ronbun/2019008.pdf)(り じぇほ,早稲田大学大学院日本語教育研究科)2.オンライン化STEP の学習方法と課題の提出締切を明示した。オンライン授業の場合,教師がそばにいMoodle で実装されている Collaborate を利用して実施した。

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