注早稲田日本語教育実践研究 第9号/2021/11―18 18 本稿で学生の振り返りをみると,4 つの点について述べられていた。 1 つ目は言語能力,対人面,未知の体験からの不安や緊張,恥ずかしさが,仲間と様々な活動をしたことでなくなったこと,2 つ目は他者の存在を意識し分かりやすくメッセージを伝えること,3 つ目は多くの活動をグループでしたことによりチームワークの重要性に気づいたこと,4 つ目は日本語力の向上に気づいたことである。 今回は 5 人の学生の振り返りのみを取り上げた。一人一人が深い内省を行っていた。今後は学生のデータを増やし,さらに分析を深めたい。 1) クリエイティブ・ドラマとは「即興で,観客に見せるせるためではなく,過程中心のドラマアクティビティである。アクティビティの中で参加者は,リーダーに導かれながら,現実の経験あるいは想像された経験をイメージしたり,演じたり,振り返ったりする」ものである。(Rosenberg,1987,p15)参考文献山石黒圭・阿部達雄・新城直樹・有田佳代子・植松容子・渋谷実希・志村ゆかり・筒井千絵(2011)『会話の授業を楽しくするコミュニケーションのためのクラス活動 40』スリーエーネットワーク川島裕子・芝木郁也(2015)『演劇的手法によるコミュニケーション教育の学びのテーマ―北道教育大学における授業科目「コミュニケーション実践演習」をもとに―』北海道教育学紀要 第 66 巻,第 1 号,161-170.小林由利子・中島裕昭・高山昇・吉田真理子・山本直樹・高尾隆・仙石桂子(2010)『ドラマ教育入門』図書文化 高尾隆・中原淳(2012)『インプロする組織』三省堂平田オリザ(2012)「シナリオ活用ガイド」野呂他(編)『ドラマチック日本語コミュニケーション「演劇で学ぶ日本語」リソースブック』第 7 章,ココ出版,pp. 190-261渡部淳・獲得教育研究会(2014)『教育におけるドラマ技法の探求―「学びの体系化」にむけて』明石書店Rosenberg, H. S. (1987) Creative Drama and Imagination: Transforming Ideas into Action. New York: Holt Rinehart and Winston.(すぎやま ますよ,早稲田大学日本語教育研究センター)5.まとめと今後の課題
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