17ショート・ノート杉山ますよ/演劇的手法を取り入れた授業の可能性を探る劇は役者が観客に何らかのメッセージを伝えるものである。その伝える手段として様々な試みがされている。役者はある状況や場面に合わせ何らかの意図を持ち,声や言葉,身体などを使って観客に伝えようとする。それはコミュニケーションそのものなのである。にはコミュニケーション力アップの共通項が多々含まれているという。E はクラスメイトとドラマを作る過程で演劇活動にはコミュニケーションに必要な要素が含まれていることに気づいたと思われる。4-3.チームワークの重要性・協働性 5 人の記述に「皆と/クラスの友達と一緒に」「協力しあって」「チームワークの重要性」「チームワークの大切さ」「他者と関わることで」というような表現が使われ,チームワークの重要性が語られている。し発表ができることに感動し,今後はチームワークを大切にすることを心掛けるという。で,チームワークの重要性を感じたという。C は作品を作るとき最も重要なのはお互いの協力だと気付き,D は皆と一緒にドラマ作りをすることが安心の場になり,クラスの友達と共に活動することで成長できるという。 当初はクラス全体,グループで行うアクティビティをする際には戸惑い,恥ずかしそうにしていた学生も回数を重ねるごとによく笑うようになり,クラスメイトのパフォーマンスに絶賛の声をあげたり,拍手をするようになった。また表情も柔らかくなり,動きも自由に大きくなってきた。これは毎回インプロなどで,安心して表現できる場,失敗できる場ができたことによると思われる。さらにグループで毎回話し合うことで気兼ねなく議論でき,良い結論に到達できたと思われる。学生はクラスメイトと共に活動することで安心でき,成長できると感じた。そして協力が最も重要だと自覚したと考えられる。4-4.日本語の能力・知識を得る 日本語力についてはラポール(信頼関係)が形成されたことによってストレスなく話せたこと,また常に課題について日本語で議論したことが日本語の話す能力の向上に繋がったと思われる。プの人達とディスカッションする過程で気づかないうちにどんどん話せるようになった, 語力もアップし,気軽に話せるようになったと書いている。E は話す能力を伸ばしたいと思い,この授業をとったが,非常に勉強になっていると書いている。 前述したようにこの授業では毎回課題がある,課題を書き,それをディスカッションし,さらにそれを体を通して表現する過程を毎回行っている。したがって日本語で共通の話題を扱った総合的な活動(書く,読む,話す,聞く)を行うことで日本語の運用力がつき,語彙が増え,表現力が高められたという記述がみられたのではないか。 E は身体や言語を用いての活動はコミュニケーションとも言い換えることができ,演劇 A はクラスメイトの信頼関係が構築されたことで自由に意見を言える環境ができ,協力 B は作品を作るために時間がかかる場合でもチームワークによって切り抜けられたこと A は書いたり話したりする力がついた,話す力はストーリーを作り上げるためにグルーC はこの授業で様々なトピックを扱い,事前に宿題をしたことで学びがあった,D は日本
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