13ショート・ノート杉山ますよ/演劇的手法を取り入れた授業の可能性を探る取り組み方表 2 使用したインプロの例目的高いステイタスと低いステイタスについて相手,状況によってどのようにステイタスを使い分けるかを知る。日々の人に対する振るまいを考える。ネームチェーン 名前を覚える,お互いを知る。声を出し,身体を動かすことでウォーミングアップ私は木です。 創造力,即興力を養う。多様性を知る。 基本は 3 人で行うが,何人でもすることができる。一人が「私は木です」と言い,木のポーズをする。次にそれを見た人が「私は木になっているリンゴです」と言って木のそばでポーズをとる。それを見て次の人が想像力を働かせて加わっていく。ステイタス 以下 2018 年の秋学期の 5 人の学生の振り返りレポートをそのまま記述した。これは授業の最終課題としているものである。5 人の学生は資料提供の許可を受けた学生で 600 字程度の記述があった学生から選んだ。3-1-1.チームワークの重要性に気づいた A この授業を受けて,日本語の話す力や書く力があがるだけではなく,チームワークの重要性に徐々に気づいてきた。国では日本語で話す授業がなかったから話すことは非常に弱かった。日本へ来たばかりで授業の始めのころは周りの学生がペラペラ日本語で喋るのを見て,自信を持てず消極的な態度をとっていたが,他の学生とグループになって面白いドラマを作るために,意見を交換したり,ストーリーも変える必要があることによって,口を開いて何か言わなければならない。したがって,知らないうちに自分でも日本語がどんどん話せるようになった。それが最も達成感が感じられることだと思う。観衆に分かりやすくするために人間関係,セリフ,ストーリー構成を考えることから要約力や想像力を学ぶことができてかなり役にたてると思う。他のグループの発表を見たら,拍手するほどの素晴らしい発表があり,そのアイディアを勉強して,学べた。また他のグループの足りないところ見て,今後そのようなことが起こらないように注意を払うべきだ。また,最初は演じることはすごく照れ臭く恥ずかしかったが,今は感情をこめて表現できるようになった。グループでの活動はクラスメイトがよりよく知り合うきっかけで,グループの皆が思いつきをぶつけあったり協力し合ったりして,いい発表が出来たら,グループの勝利を誇りとして全員の喜ばしい顔を見るのもけっこう感動的なことだと思う。今後は授業で得た知識やチームワークの大切さを心掛けたい。円になる。自分のポーズを決めて,ポーズしながら名前を言う。全員でその名前を呼び,同じポーズをする。これを繰り返す。 事前に高い,低いステイタスの態度,話し方,表情についてトレーニングをする。それから 2 つのグループに分かれて高いステイタスと低いステイタスを演じる。3.学生の振り返りレポート
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