早稲田日本語教育実践研究 第9号
16/100

プ早稲田日本語教育実践研究 第9号/2021/11―18 12表 1 トピック例授業内容ドラマ視聴,5 つのシーンから表現,ジェスチャーなど分析し,演じる。登場キャラクターについてディスカッション。役を決め,作成,演じる。学生の就活につての考えを話す。学生たちの進路に関する話各々の課題をもとに,ストーリーを作成,演じる。課題をシェアし,どの環境問題をとりあげるか決める。配役を決めて,リハーサルを行い発表各々の課題を共有し話を作成,演じる。男性言葉,女性言葉,ジェスチャーの観察とリサーチ,演じ方の練習様々なキャラクターによる表現方法を考える。表現の仕方,ジェスチャーやキャラクターの把握体験したカルチャーギャップ,文化 の 相 違 点 な ど を も と に ス ト ーリーを作成環境問題についてリサーチする。ニュース番組の観察,ニュース番組のシナリオの作成1 枚の写真・絵を選び,ストーリーを考える。事前課題返し作り上げ,発表する。その後ビデオを視聴し,自分がグループで演じたこと,他のグループの発表を見て気づいたこと,考えたことなどを共有し,振り返りシートに記入する。 教師は協働学習が円滑に進むように観察し,調整役としてグループを見守る。2-2-1.1 学期に行うトピック 表 1 は取り組む難易度順になっている。内容は変更する場合が多々ある。トピックは10 程度であるが主な 6 つを取り上げる。トピック1.テレビドラマ2.銀行強盗3. 進 路( 平 田 2012:pp. 194-261)4. カルチャーギャッ5.ニュースショウ6.写真・絵2-3.インプロ・シアターゲーム インプロ(impro)とは即興(improvisation)のことで,芸術分野(演劇,音楽,美術)で創作・表現手段の一つとして用いられている。近年は教育現場,教員養成,人材教育,能力開発や介護の現場などでも使用される報告が見られる。シアターゲームはヴァイオラ・スポーリンによって考案されたもので,ゲーム形式の演劇エクササイズである。ヴァイオラ・スポーリンはインプロをシアターゲームとしている(小林他 2010)。 インプロ・シアターゲームは本授業で重要な部分をしめている。本授業でインプロを取り入れる目的は①ウォーミングアップ(心,身体,声),アイスブレーク(人前で演じることの恐れ,間違うことのはずかしさなどを軽減し,緊張を和らげる),②想像力,発想力の育成,③即興力の強化,④ラポールの形成(信頼関係の構築),⑤表現方法や理解は多様であることに気づく,⑥ドラマ作りの技術を磨くことである。 1 コマ 3 つ程度のアクティビティを扱う。表 2 でインプロのアクティビティの例を示す。

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る