9センター最前線寅丸真澄・吉田好美/「わせだ日本語サポート」の挑戦教えてもらったり,様々なアプローチで日本語が練習できました。また,時間がある日にはスタッフのみなさんと自由に話せたので,日本語で生活できる環境を作ることもできました。ですから,「わせだ日本語サポート」のおかげで,非対面の時代にも日本語を楽しく有益に勉強できたと思います。わせだ日本語サポートは,「日本語学習初心者にも有益なプログラム」です。」(「わせだ日本語サポート」リーフレットより転載)「初めて「わせだ日本語サポート」に来た時,私はまだ日本語をうまく喋れませんでした。今学期はコロナの影響で日本に行けませんので,授業以外で日本語も練習できるように,毎週「わせサポ」に通い始めました。「わせだ日本語サポート」の皆さんはとても優しくて,どのようなリクエストがあってもうまく対応してくれます。日本語学習についての質問はもちろん,発表や作文などの文法チェックも対応してくれます。日本語会話の練習もできます。スタッフさんだけではなく,ほかの「わせだ日本語サポート」に通っている留学生たちもいますので,キャンパスに行かなくても新しい友だちができ,いろいろな話ができます。日本にいない私にとって,「わせだ日本語サポート」は不可欠な橋のように,私と日本を繋げてくれます。」(「わせだ日本語サポート」リーフレットより転載)2 人は海外で CJL の授業を受けていた学生である。これらのメッセージは,2020 年度最後のスタッフ・ミーティングの場で紹介されたが,「わせだ日本語サポート」が「非対面の時代にも日本語を楽しく有益に勉強できた」経験を留学生に提供できたこと,そして留学生から「「わせだ日本語サポート」は不可欠な橋のように,私と日本を繋げてくれます」という力強いことばをもらえたことは,激動の年を潜り抜けてきたスタッフたちにとって,深い癒しと大きな励みになったようである。そして,開室 10 年目を迎える 2021 年度,学内の全留学生と各箇所に向けてより開かれた日本語自律学習支援機関となることを目指して,「わせだ日本語サポート」は次のステージを踏もうとしている。これからの挑戦は 3 つある。1 つ目は,最も重要なこととして,留学生に寄り添う日本語自律学習支援を行うことである。日本語に関する知識や支援スキルの向上のみならず,留学生が安心して相談できるスタッフと環境を提供できるようにすることが重要である。2 つ目は,留学生支援のフロントラインに位置する相談窓口の「ハブ」として,関係他機関と連携を取り,留学生のどのような相談に対しても応じられる一次相談窓口になることである。そして 3 つ目は,先に挙げた 2 つを実行することによって,支援を求めるどのような留学生も迎え入れられるように,全学の留学生と他箇所に対して開かれた機関になることである。「わせだ日本語サポート」は,日本語の自律学習支援のみならず,留学生の学習やキャリアに必須の自律性を育成する場でもある。本学および CJL の人材育成の一端を担うべく,全学の留学生を支援していきたいと考える。2020 年度の不測の事態のように,これからも何が起こるかわからない。しかし,「わせだ日本語サポート」の担当者として筆者らは,早稲田大学で日本語を学ぶ留学生たちに教室外の学びの場から,学びの楽しさと温かい交流の思い出に彩られた有意義な一時を提供したいと願っている。
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