早稲田日本語教育実践研究 第8号
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―教室外での自律学習のために―1.授業概要VOL.1 改訂第 3 版』の 1 課から 5 課までを学習する。アウトプット学習は,教科書内に2.活動の内容61山下 恵美子有した。意味の面では,趣味や専攻など,書いた本人の好みや背景が色濃く反映された語彙が連なるものを積極的に取り上げた。このようなマップは独創性に優れるだけでなく,語彙数も多く書かれる傾向にある。本人が作業を楽しむ様子が窺われ,学習効果も高いと思われる。早稲田日本語教育実践研究 第 8 号   科目名:漢字 4  レベル:初級 1・2 /中級 3・ 4 ・5 /上級 6・7・8   履修者数:22 名 総合科目群の漢字授業では,同レベル複数クラスが既定の共通シラバスで授業を進める。筆者が担当した「漢字 4」では,『INTERMEDIATE KANJI BOOK 〜漢字 1000PLUS 〜ある練習問題の他に,各課の学習漢字を使った活動の提出課題があり,学生には 1 人 1 冊ずつ「活動冊子」が配布される。内容は「語彙マップ」と「短作文」の 2 種類である。2-1.各クラス共通課題の活動 ここでは「語彙マップ」について紹介する。「語彙マップ」とは,各課 20 字程度の学習漢字の中から自分で 1 字選び,マインドマップの要領で,その漢字から様々な語彙を派生させて書いていく活動である(図 1 参照)。筆者のクラスでは,作成時間を授業内に取らず宿題とし,返却時のフィードバック(以下 FB)に重点を置いた。グループワークでお互いに自分のマップの説明と相手への FB をした後,提出時に教師が予めピックアップしておいた独創性のあるマップを PPT で全体共有した。例えば,同じ音記号や同じ形の部分を持つ漢字でつなげてあるもの,反意語を取り入れたものなど,授業で学習した内容を絡めたアイデアで書かれたものを,漢字の特徴を理解して表現している好例として全体共図 1 「活動冊子」の語彙マップ作成例実践紹介漢字学習を主体的にする教室活動

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