早稲田日本語教育実践研究 第8号
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2早稲田日本語教育実践研究 第8号/2020/1―4書きます  Kakimasu (I am writing)書く時   Kakutoki (When I am writing)書けば   Kakeba (If I write)書こうと  Kakou (I plan to write)日本語の動詞は,動詞の語尾がどのように変化するのかよって,一段動詞,五段動詞,そしてそれ以外の不規則動詞に分類される。日本語の基本的な発音「あいうえお」からわかる。一段動詞は動詞の基本形が「る」で「教える」,「食べる」,「見る」の場合,「る」の前の発音が「い」段,あるいは,「え」段である。五段動詞は動詞の基本形が「る」で終わらない動詞のすべてである。「折る」,「始まる」,「 売る」のように語尾が 「る」で終わっても「い」段,「え」段ではなく「あ」段,「う」段,「お」段の場合には五段活用に入る。五段活用に入らない 「する」,「来る」は代表的な不規則動詞に入る。日本語での不規則動詞の数はロマンス言語と比較すると少ないという事実が明らかになる。ここで,日本語の形容詞の論理性について著名なイギリスの哲学者クワイン教授の「存在論的相対性 Ontological Relativity」という論文を紹介したい。クワイン教授は,例外の少ない日本語の「な」形容詞に感嘆し,「い」段に終わる形容詞に「な」を付けると本質的に名詞を修飾すること,そして,「な」形容詞の活用規則はすべて同じであり,「な」形容詞と名詞が続くことであるとしている。例えば,「きれい」は「な」形容詞で 「な」をつけると 名詞を修飾して名詞句の指示対象を限定する機能を持つ。1.不思議  不思議な世界  a mysterious world2.綺麗   綺麗な花    a beautiful flower次は,日本語の動詞活用からテーマを変え日本語の多様な類別詞,あるいは,助数詞を説明する。日本語には「本 1 冊」の冊,「万年筆 1 本」の本などと呼ばれる特定の助数詞がある。数字に助数詞を加える。1.五本の万年筆2.五匹の犬3.五人の会計士特定の助数詞は生き物の助数詞とそうではない無生物助数詞と区別されることを紹介する。生き物1.人 / 名:人々を数える時2.頭:牛,鹿,クジラ類の動物3.匹:犬,猫などの小さい動物

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