早稲田日本語教育実践研究 第8号
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注早稲田日本語教育実践研究 第8号/2020/5―12 12講しているが,今後は CJL のコースとして開講を検討していく予定である。担当教員についても,これまでは,開発者が授業を担当してきたが,今後は CJL の開発者以外の教員が授業担当,あるいはコンテンツを活用することになる。中には ICT 活用に抵抗のある教員も少なくないが,実際に授業を行う前に ICT 使用を経験できる機会や上司や同僚に相談できるような「組織的支援体制」を設けることで ICT の利活用を促すことができるという報告もある(尹・岩崎 2018)。今,CJL ではまさにどのような「組織的支援体制」がつくれるのかをより多角的な視点から考えていくことが急務である。  1) edX は,ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が共同で設立した MOOCs のプラットフォームの一つである(重田 2014)。  2)遠藤健(2020)「Steps in Japanese for Beginners1 Part1 基礎統計」(学内資料)  3)遠藤健(2020)「SJB1 における離脱傾向解析の試み」(学内資料)参考文献梅田望夫,飯吉透(2010)『ウェブで学ぶ−オープンエデュケーションと知の革命』筑摩書房.大熊伊宗,木下直子,佐野香織,毛利貴美(2019)「edX の「言語コース」における動画コンテンツの役割」『CASTEL/J 2019 Proceedings』,239-242.木下直子(2017)「日本と米国におけるオンライン教育と現状−身近な学習者にアドバイスするために−」『早稲田日本語教育学』23,21-30.木下直子,毛利貴美,佐野香織,大熊伊宗(2019)「MOOCs 日本語初級オンライン講座「Steps in Japanese for Beginners」の開発」『CASTEL/J 2019 Proceedings』,152-155.向後千春(2012)「インストラクショナルデザイン−教えることの科学と技術−」http://kogolab.chillout.jp/textbook/2012_ID_text.pdf(最終閲覧日 2020 年 2 月 9 日)佐野香織,齋藤智美,鄭在喜,吉田好美(2019a)「総合日本語 1・総合日本語 2 履修者実態調査報告」『早稲田日本語教育実践研究』7,7-14.佐野香織,木下直子,毛利貴美,大熊伊宗(2019b)「MOOCs における日本語初級オンライン講座で学習者は日本語をどのように学ぶのか− 継続性の観点から− 」『CASTEL/J 2019 Proceedings』,243-246.重田勝介(2014)『オープンエデュケーション−知の開放は大学教育に何をもたらすか』東京電機大学出版局尹智鉉,岩崎与司(2018)「教育現場での ICT 利活用を促すために必要なものは何か−日本語教師を対象とした意識調査の結果から−」『e-learning 教育研究』12,1-12.早稲田大学留学生センター「2019 年度前期(春学期)早稲田大学外国人学生在籍数」https://www.waseda.jp/inst/cie/assets/uploads/2019/07/201905_jp.pdf(最終閲覧日 2020 年 2 月 9 日)Jordan, Katy (2015) MOOC completion rates: the data. http://www.katyjordan.com/MOOCproject.html(最終閲覧日 2020 年 2 月 9 日)Merill, D. (2002) First Principles of Instruction, Educational Technology Research and Development, 50, 3, 43-59.(きのした なおこ,早稲田大学日本語教育研究センター)

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