8早稲田日本語教育実践研究 第8号/2020/69―1102.印象的な留学生の成長 1061.スタッフをしていて良かったこと・スタッフとしての成長も:自分は「わせサポ」に入って 2 年なんですけど、最初は留学生の質問にしどろもどろだったのに、少しずつ答えられるようになったことや、留学生のみなさんに提供できるリソースのストックが広がったことを実感しています。やっていて良かったのは、常に学習者の視点でいられることですね。そ:外国人スタッフとして良かったことは、まず CJL に来る学生は日本語に限らずいろいろなことで悩んでいるんだということがわかったことです。そして、そういった人たちをどうやって助けられるのか一緒に考えることがとても勉強になりました。また、自分にととって役に立っているリソースを紹介しても、他の人に通じるかどうかわからないので、一人一人のニーズに合わせてサポートしなければならないということを学びました。し:私は最初、留学生スタッフとして留学生や日本語学習者を理解できるし、自信を持ってサポートできると思っていました。ですが、編入して日本に来た私と CJL の学生は全然状況が違うので、留学生の質問に対応することによって私も成長することができました。今後は、日本語の問題だけでなく、生活情報などについても温かいアドバイスができるようになりたいです。む:一番うれしいのは、私がここに入った時から来てくれていた留学生の成長が見えた時ですね。最初は授業についていけないという悩みだったんですが、次第に日本語力も伸びて、できることも増えてきて、悩みの内容も変化してきたように思います。それに伴って、彼らの考えを後押ししたり、日本語学習のハブのような役割を担ったりできるようになりました。り:同じ曜日のスタッフに親切にしていただいたり、毎週のミーティングで先生方からいろいろなアドバイスがもらえるので、最初の頃よりは上手にアドバイジングができるようになったという感じがします。やっていてよかったのは、日本人の学生さんと初めて一緒に何かをする機会を持てて、考え方なども知れたことで、私自身がこれから日本で生活していく上での自信にもなりました。も:研究計画書の相談に来た中国出身の留学生ですかね。初回は目の前の研究計画を書くことが目的だったんですけど、段々と将来の夢が明確になってきたんですね。そうすると研究計画書の内容にもそれがはっきりと反映されてくるんです。アドバイジング期間は半年くらいでしたが、彼女の成長を目の当たりにできたという意味では印象的でした。し:イギリス出身の女性の方ですね。私は漢字圏出身で、非漢字圏の人の悩みがわからなかったので、どうしたら非漢字圏の人をもっと上手にサポートできるのか考えるようになりました。同じ日本語学習者でも、非漢字圏の人に会えたのは新鮮でした。そ:最初は日本語の勉強についてぼんやりしたことしか聞けなかったんですが、回数を重ねるごとに質問やニーズが留学生の中で次第に明確になってくるのが印象的でした。また、紹介したリソースが役に立っていますと言われて、自分も役に立っているような気になり、とてもうれしかったです。む:最初来た時は、心のサポートを欲しがっていた留学生が、次の回に来た時はとても明るくなっていたんです。それで、日本語の勉強や将来のキャリアについて話したりしていたんですね。「わせサポ」をきちんと学習リソースとして活用しようという変化が見えて、すごいなと思いました。り:印象的だったのは F さんです。一緒に学習リソースを探していて、最終的にニュースにたどり着いたんです。その後、とても真面目に勉強に取り組んで、「わせだ日本語サポート」スタッフ座談会
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