7センター最前線木下直子/学習効果を高めるブレンデッド・ラーニングの導入を目指して図 1 Background の回答この SJB は,学習の継続性や文脈からの内容理解を促すため,ストーリー性を重視している。SJB1 は,政治経済学部に入学したインドネシア人留学生のアンディが,寮,授業,サークルなどの場面で日本語を使って人間関係を築いていくという物語になっている。はじめは,限られた日本語を使って,助けを求めたり,助けられたりする場面が多いが,失敗や苦労を乗り越え,のちに自分が後輩にアドバイスをするまでに成長するというストーリーである。SJB2 と SJB3 では,大学院に進学するためのアカデミックジャパニーズが学習できる場面や就職活動,面接の場面を設定してビジネス日本語を扱うなど,学習者たちの多様な学習目的を意識して作成している。2-2.各課のコンテンツ各課には,1)Background,2)語彙練習用動画,3)英語による文法説明・練習の動画,4)会話練習用動画,5)小テスト(15 問)がある。1)Background は,この課で学習する内容に関して自らの知識・経験を思い出し,新しい知識とのつながりをつくるために設けており,その回答に用いる言語は日本語でも英語でもよい。例えば,第 5 課では,道をたずねることができることを目標としているが,Background で「What kinds of expressions would be useful to know when asking how to get 図 1 のように,回答数の多いものはより大きく表示される。これにより,問いに対する回答を知りたいという意識が高まり,その課の学習内容への動機が高まる。また,教師がフィードバックしなくても,自らの回答の位置づけがわかり,情報の流れが教材から学習者へという一方向になりがちな環境でも,他者が回答した表現から学ぶという新たな方向性が生まれることをねらっている。図 2 は,2)語彙練習用動画,3)英語による文法説明・練習の動画,4)会話練習用動画の学習の流れを示したものである。各動画にはスモールステップを設け,独学でも学習somewhere?」のような問いを立てた。学習者からの回答は,ワードクラウドを利用して,
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