早稲田日本語教育実践研究 第7号
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 また,留学生支援の視点から国際教養学部/国際コミュニケーション研究科で学務業務,受入・派遣留学関連業務を担当する職員の陳永盛さんも,意見を述べました。陳さん: 実は私も 17 年前に早稲田大学の学生として,CJL,虹の会のメンバーだった 1 人です。現在,留学生のキャリア支援を通じて感じているのは,就職の理想と現実です。留学生の大半は大手志向ですが,一方で日本における大手企業の割合は 1% 未満とも言われています。また,基本的に企業側が社員の職務を決定する日本型の慣例的な人事制度に対し,留学生は常に自身のやりたい業務に従事したいという人が多いと思われます。これらのことが,ミスマッチの主な要因となっています。もちろん,高い日本語能力も求められます。そうしたことを踏まえて,外資系企業や中小企業とのマッチング,インターンシップの活用を通じて留学生のキャリア支援を行っています。き 1 位となりました。外国人労働者の需要が高まっている今こそ,時代やニーズに合わせた支援を検討,実行し,留学生のキャリア支援にあたりたいと考えています。 最後に,舘岡教授がシンポジウムを総括し,CJL が取り組むべき方向について決意表明がありました。舘岡教授: 就職支援も CJL の重要な課題として,その道筋を示すことができるよう注力していきたいと考えています。 現状の留学生のサポート体制についても,支援窓口が多数存在することで,かえって留学生にとって分かりづらくなっているようですので,早急なシステム化が必要だと感じました。 これまでも早稲田大学は様々な時代の要請に応えてきましたが,ややもするとこれは御 QS Graduate Employability Rankings 2019 が発表され,早稲田大学は国内私立では引き続 CJL および大学が抱える留学生支援の問題点が浮き彫りにされたと思います。56早稲田日本語教育実践研究 第7号/2019/49―94国際教養学部/国際コミュニケーション研究科学務業務,受入・派遣留学担当職員 陳永盛さん

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