早稲田日本語教育実践研究 第7号
56/104

舘岡教授:は,カリキュラムはもちろん,多様な国籍を持つ留学生の在籍などが挙げられます。また,「主体性」という意味では,受講者自身がスケジュールを組み立てられる仕組みを提供しています。ただし,「開放性」についてはまだまだ課題があります。CJL 自体の知名度が低く,他の機関ともっと連携することでより知名度を高めていく必要性を感じています。また,CJL 在籍者と日本の学生とのつながりが薄いこと,さらに留学生の日本での就職等の進路の道筋を示すことができていないという課題も抱えていると認識しています。 一方,留学生を代表して,社会科学研究科修士課程 1 年の劉陽さんからは,留学生の立場から見た早稲田大学および CJL について意見が述べられました。舘岡教授がすでに認識している CJL が抱える課題についても言及され,率直な要望が出されました。劉陽さん:ログラムが揃い,受講生が主体的に選択できる点です。 しかし,日本語能力の診断ソースが限られているため,会話と作文の能力が測れません。そのため,自分のレベルに合わない授業を選択してしまい,学習困難に陥る留学生が私の周囲にいます。日本語能力の診断ソースを増やすべきだと考えます。 また,講義内容について,例えば私は大学院進学に備えて,研究計画書を書く授業を受け,そのおかげもあって大学院に進学できました。一方で,ビジネスやアカデミックな内容のものが他のジャンルのものに比べて少ないので,進学・就職時に実践的に役立ち,私たちの将来につながるようなプログラムを増やしていただけたらと考えています。 早稲田大学として優れている点は,わせだ日本語サポート,キャリアセンター,ICC(国際コミュニケーションセンター),国際交流サークルなどのような様々なサポート体制があることです。 CJL には,「多様性」「主体性」「開放性」の 3 つの特徴があります。「多様性」について留学生や日本の学生からの意見 CJL の優れた点は,先ほど舘岡教授からもお話しがあったように,270 以上の多数のプ52早稲田日本語教育実践研究 第7号/2019/49―94CJL 所長(当時) 舘岡洋子 国際学術院教授

元のページ  ../index.html#56

このブックを見る