早稲田日本語教育実践研究 第7号
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□□□□「実践紹介 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□ □□□ □□□□□ □□□□ □□□□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □□□□ □□□□□ □□ □□□ □□□□□□ □□□□□ □□ □□ □□□ □□□□□□ □□□□□□□ □ □□□□□□□□□ □□□□ □―初級クラスにおける語彙指導の試み―1.授業の概要三好 裕子37図 1 「ことばのネットワークシート」例(形式 1) に入るものを考えさせ,道具の「で」の理解を図った。また,①を狙早稲田日本語教育実践研究 第 7 号   科目名:ことばのネットワークを作ろう  レベル:初級 1・2 /中級 3・4・5 /上級 6・7・8  履修者数:35 名 語彙知識は,個々の語がつながりを持ち,ネットワークを形成していると言われている。本授業の目的は,学習者が日本語の語の結びつき方を知り,日本語の語彙のネットワークを構築していけるよう,その基礎となる知識と,学習の方法を身につけることである。 授業は,オリジナル教材「ことばのネットワークシート(以下シートと呼ぶ)」を中心教材とし,橋本(2016)を参考に学習者にとって身近で平易なトピックを毎回提示し,そのトピックに関する語を関連づけながら学ぶことを目指した。授業では,グループワークを入れながらシートの問題を考えさせ,解説した。毎授業後にわかったこと・わからなかったことを書かせ,また,学習した語の短文作りを宿題とした。次の回で確認のための小テストを行い,小テスト準備のためのオンライン・クイズも作成し,使用を勧めた。 シートは,次の 4 点を狙いとしている。①日常的な場面,事象をどう表すかを連語 1)で学ぶ。②連語の中の語と結びつく語を考えることでネットワークを広げる。③連語の中の助詞に注目させ,整理の時間を設けて助詞の理解を図る。④その他のトピックに関連する語句も同時に学ぶ。 図 1 は第 1 回「食べる」のシートの一部で,連語を用い,語を増やしつつ語の結びつき方を学ぶ,上記の①〜③を狙いとした問題(形式 1)である。指導では,まず,何を「食べる」かを考えさせた。「スープ」「薬」は通常「飲む」であることを教え,その他の例を挙げさせながら「食べる」と「飲む」の違いを考えさせた。さらに, で」の いとして、事象を絵や英語訳で提示し,名詞を示して動詞を考えさせる問題(形式 2)を作った。形式 1,2 が連語を用いた問題形式である。さらに,④を狙いとして,絵の中の物の名前を考えさせる問題(形式 3),関連する語句を提示し,調べさせる問題(形式 4)も入れた。語句の選定は,『実践日本語教育スタンダード』等を参考にした。□ □chopsticks□ □□□□ □□□□ □□□□ □ □ □□□□ □□□□□□□□ □ □□□□□□□□ □□ □□□□□ □□□□□ □ □ □ □ □ □ □ □□□□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □□□□ □□ □ □ □ □ □ □ □ □ □□□□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □□□□ □語彙のネットワーク構築のための連語による指導

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