早稲田日本語教育実践研究 第7号
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早稲田日本語教育実践研究 第7号/2019/31―32 2-1.ウオーミングアップ 教室に来て着席しても,スマホで SNS を見たり,ウェブチャットをしたりする学生の様子から,「これから日本語を学ぶ」という身体になっていないように感じていたので,授業開始時に自分が教室にいることを意識させるような活動を取り入れた。2-2.事前・事後学習 毎回のクラスで学習する言葉は事前に CourseN@vi にアップロードしておき予習を促した。なるべく必要最低限の言葉にとどめ,クラス当日,活動のまとめとして語彙マップ(類義語,反義語,関連する言葉など)をグループで作成した。その語彙マップをもとに,授業で学んだ言葉の品詞,類義語,反義語などを書く語彙リストの作成や動作を記述する作文を宿題とし定着を試みた。2-3.活動 動きを表す表現では,「V ましょう」「V て・ないでください」「V ながら V」「V て V」などの文型を Total Physical Response で導入した。コース初日に動詞の活用記入リストを配布し,事前学習を促した。中間テストで「て形」を使った記述はできても,こちらの指示通り動くことが難しい学生が多かった。 感情を表す表現では,「感情すごろく」という活動を行った。サイコロの出た目によって自分の感情(かなしい・うれしい・たのしいなど)の体験を語る活動で,事前に文例を提示した。 発表会では,文法的な誤りが見られるグループもあったが,概ね学生一人一人の興味・関心や体験,ユニークさがよく出た発表になっていたと感じた。 まだ 1 学期間のみの運用で,次学期の学生にはどのような反応が起こるか分からないが,今後も学生の様子を見ながら取り組みを続けていきたい。3.成果と今後の課題(すずき ゆみこ,早稲田大学日本語教育研究センター)32

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