早稲田日本語教育実践研究 第7号
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17 年度春学期17 年度秋学期8%25%23%16%10%15%3%11ショート・ノート佐野香織・齋藤智美・鄭在喜・吉田好美/総合日本語1・総合日本語2履修者実態調査報告12%26%20%15%6%17%4%表 3 総合 1 17 年度春学期・秋学期日本語を学ぶ理由回答結果割合①日本の有名大学で学びたい②東京に行って住みたい③日本に関心がある④日本で働きたい⑤ JLPT N3 合格⑥日本語を勉強したい⑦日本でしたいことがある 交換留学生の場合は,専門分野や専攻,日本に対する興味に起因して日本語を学習していることが多いが,大学院への進学を考えているため,成績を気にしている様子であった。 漢字に対する認識については,日本で生活しているという環境の中で,毎日視野に入ってくる漢字の重要性を痛感し,漢字のテーマ科目に進むという学生が少なくなかった。 以上の調査結果から,「日本語を学ぶ」ということは,「語学として日本語を勉強したい」という意味も含まれるが,それ以上に非常に広い範囲で学生に捉えられていることが推察される。3-2.総合 2 における調査およびその結果3-2-1.日本語学習の継続:総合 1 から総合 2 へ 総合 2 の予備調査では,総合 2 終了後の継続のあり方のみならず,レディネスの多様性が浮かび上がってきた。総合 2 のコースデザインは総合 1 からの継続を前提として設定している。そのため,総合 1 から総合 2 への継続について把握することも必要があると考えられたため,本調査ではレディネスについての質問紙調査およびインタビュー調査を実施した。その結果,17 年度春学期の調査 6)では,156 名中 96 名(62%)が,また,17 年度秋学期の調査では 158 名中 33 名(20.9%)が総合 1 からの継続履修者だということがわかった。総合 1 以外のレディネスとしては,春学期・秋学期ともに,入門日本語,集中日本語等 CJL の科目以外に,国の教育機関や語学学校での学習や,独学,ネットスクール利用等の多様なものが見られた。このように,総合 1 以外からの日本語学習継続者が少なからずいるという結果から,コースデザインとして,多様なアーティキュレーションに配慮する必要性が明らかになった。3-2-2.日本語学習の継続:総合 2 修了後 総合 2 終了後に引き続き在籍する学生が日本語学習を継続するかどうかを質問紙調査したところ,17 年度春学期は 107 名が本学継続在籍し,そのうち 88 名(82.2%)が,17 年度秋学期には 138 名が本学に継続在籍し,そのうち 115 名(83.3%)が CJL での日本語科目履修継続を希望していることがわかった。 春学期終了後にインタビューした学生 5 名は,CJL での履修継続を希望していたが,単純に単位取得ということにとどまらず,様々な学習理由が語られた。将来イギリスの大学

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