早稲田日本語教育実践研究 第7号/2019/7―14 173 名( 224 名)5 名158 名( 212 名)5 名(( )内の人数は履修者数)10総合 1 質問紙調査協力者数質問紙調査の内容(春秋共通) ①日本語を学習する理由インタビュー調査者数総合 2 質問紙調査協力者数質問紙調査の内容(春秋共通) ①総合 2 履修前のレディネスについてインタビュー調査者数3-1.総合 1 における調査およびその結果 2016 年秋学期実施の予備調査結果を踏まえ,2017 年度春学期,秋学期の質問紙調査では,6 項目からなる質問紙(英語表記)を作成,調査を行った。質問項目の詳細は,1)日本語を学ぶ理由,2)日本語の授業以外で日本語を用いてコミュニケーションを行う相手,3)日本語の授業以外の日本語学習方法,4)日本語学習歴,5)総合 1 における仮名学習について,6)総合 1 以降の日本語学習予定とその理由,である。ここでは 1)の日本語を学ぶ理由に焦点をあててその結果について述べる。 質問紙調査は複数回答を可とする選択式であり,「その他」項目は自由記述である。本稿では選択回答に対する単純集計と記述統計で分析した結果について述べる。 1)の日本語を学ぶ理由を尋ねた結果を示す。表 3 は,17 年春学期,秋学期の調査結果を比率で表したものである。日本語を学ぶ理由としては,春・秋学期ともに②「東京に行って住みたい」が最も高い割合を占めている。「日本に関心がある」も同様である。春学期では「日本語を勉強したい」が「将来日本で働きたい」にわずかの差で順が逆になっている他は,ほぼ同じような割合の順と比率となっている。 本学の総合 1 は従来「日本語を勉強したい」学生を想定したコース設定となっていたが,この想定以外の理由が高い割合を占めていることが分かった。 しかし,学期終了後に行ったインタビュー調査では,この質問紙調査結果とは少し異なる様相も窺えた。予備調査同様,日本語が必修科目であるためという理由は多く聞かれたものの,現在日本で生活をしているから日本語が必要であるという理由や,正規留学生の場合,日本での大学院進学,さらには日本での就職希望から日本語科目を履修しているという声もあった。しかし,日常生活では,ほぼ日本語は使わず簡単な生活用語だけを使うことが多いため,現在 CJL の総合 1 で行っている授業量とクイズ・テストの多さにプレッシャーを感じている学生もいた。そのため,総合 2 への継続はせずに,自分の学びに合うテーマ科目群の科目を取りながら学習を続けていくことを考えていた。表 2 17 年度本調査概要17 年度春学期67 名( 90 名)②日本語の学習方法③総合 1 修了後の日本語学習予定156 名( 191 名)②総合 2 以外の履修科目③総合 2 修了後の科目履修について17 年度秋学期4 名5 名
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