早稲田日本語教育実践研究 第6号
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50500□三好裕子/語を使えるように学ぶための教材作成の試み29.425.78.04.0□□□□□□□□□□ □□□27.321.320.613.1□□□□□□□□□□□□□ □□□65.552.5□□□□□□ □□□26.37.18.9□□□□□□□11.36.73.0□□□□□□□□□□62.140.4□□□353026.9252015104037.33530252015107060504030201071図 1 コロケーションの誤りの発生率(%)図 2 動詞の語形の誤りの発生率(%)図 3 短文の誤りの発生率(%)ロケーションの誤りの多かった「温暖」と「普及する」について,指導前後のコロケーションの誤りの発生率 3)の変化を示したものである。どちらの学期も指導後は誤りが大きく減少していることがわかる。 一方,動詞の語形の誤りについては,図 2 の「理解する」の例が顕著に示すとおり,秋学期は指導後の誤りの発生率が大きく減少していた。また,秋学期は指導前の文でも誤りが春学期よりも少なくなっていた。これは,動詞の語形についての問題を加えたことによる効果だと思われる。 次に,対象語 6 語について,短文の誤りの発生率 4)を春学期と秋学期で比較した。図 3 は,対象語 6 語の誤りの発生率の平均を,指導前・指導後,春学期・秋学期で示したものである。図3 のとおり,秋学期のほうが指導後の誤りの発生率が低く,指導前からの減少の幅も大きいことがわかった。 以上の結果をまとめると,語句の使い方の誤りに気づかせ,正 確 性 を 向 上 さ せ る と い う 点において,秋学期の問題のほうが効果的だったと言えるであろう。これは,春学期の結果を受けて,修正を行ったことによると思われる。4-3-2.アンケートにおける評価 秋学期も春学期と同様に,問題についてのアンケートを実施した。アンケート回答者は178 名であった。

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